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ある男の話。

私は最近、よく考えることがある。それは、未来の自分についてだ。

5年後、10年後の自分は何をしているのだろうか。どんな人と、どんな人生を歩んでいるのだろうか。それが幸せなものであることを願うと同時に、その幸せが約束されたものではないことを知っているから、何とも言えない気持ちになる。明日のことも分からないのに、何年後かの自分の姿がわかるわけない。幸せだったらいいけど、正直そこは運でしょ。

だって、未来を知る人がこの世にいるのかという疑問に対する答えはノーだから。誰もが輝かしい未来を妄想し、その壮大な物語の中心に自分がいることを夢見るけど、現実に目を覚まされ、壮大な物語にある美しい景色は挫折や理不尽といった現実世界の大きな壁に遮られ、それを目の前に嘆くことしかできない。人生ってそういうもんでしょ。そんなことを考えながら毎日を生きていた。

私は、読書が趣味だ。本屋に行けば、成功者と言われる人達の成功の秘訣が書かれた本や、自分を変える、理想の自分になれるといった内容の本が入り口付近に並び、人生を輝かせたいと夢を見る人たちが群がる。私もそのうちの一人だった。どうしたら自分を変えられるのか。どうしたら理想の未来に近づけるのか。その方法を求めて、多くの本を片っ端から読んだ。

あれから数か月がたった。より多くの本に触れ、知識はついた。そしてそれをもとに考えを深めてきたが、自分の中で変わったと思うところはこれといってない気がする。そういえばもうすぐ夏がやってくる。数か月前は、海で堂々とできるように筋トレ始めようと思っていたっけ。

さらに数年がたった。気付けば大学生。大人に守られていた10代が終わる日も近い。何年か前に書いてみた理想の自分像というノートが出てきた。あの時も今も、同じようなことを考えていることに気が付いた。きっと、今また理想を書き出したとしても、同じような1ページが完成するんじゃないか。そんなことを思って、特に何もなかったかのようにノートを本棚の端っこのほうにしまった。なんだか変な気持ち。

次の日。電車に乗った私はいつものようにイヤホンをつなぎ、耳につけた。私には最近よく聞く曲がある。好きな曲は歌詞より曲のテンポとか雰囲気で決める派だ。だけど、ぼーっとしながら音楽を聴いていると、ある歌詞が耳に入ってきた。


どこへなぜ、どうして?

なにをもってそこまで?

いつまで、誰のため、なんのために?


どこか胸騒ぎがした。いろんな人に向けて発信されている曲のはずなのに、まるで自分が言われているような、もどかしい気持ちになった。

でもまあ、いいか。本当に私に対して言われているわけじゃないんだし。


まあ、いっか。


別に、いいよね。。。






「本当にそれでいいのか?」

「お前の夢はその程度のものなのか?」


お前の夢や理想はそんな甘いものだったのか。がっかりだな。


お前はどこへ行きたいの?なぜ行きたいの?

俺は夢を叶えたい。夢を叶えて夢の舞台に立ちたい。

なぜ?それが俺にとっての幸せだからに決まってるでしょ。

なにをもってそこまで?

本気だから。俺は俺の夢に夢中だから。苦しいことも乗り越えて強くなってやる。どんなに厳しい道でもそこを通るしかないなら喜んで通ってやる。

いつまで?誰のため、なんのために?

自分自身のため。そして、俺の夢を応援してくれる人のため。もう俺の夢は俺だけのものじゃない。たくさんの人が応援してくれて、期待してくれている。そんな人たちに恥ずかしい姿は見せられない。何が何でも夢を叶えたい。その想いがなくならない限り、俺の夢は終わらない。


お前はずーっと自分の中だけで生きていくんだ。安全地帯から飛び出すこともなく、外の世界をうらやんで見てるんだ。まぁそのほうが傷つかないから幸せかもね。いいんじゃない?でもそんな狭い世界にお前が掲げた理想はあるの?傷つかずに夢を叶えられると思ってるの?


本気で叶えたいなら、もっと飛び出せよ。自分はここまでって自分の限界を自分で決めるなよ。周りに言われたからなんだ。お前はどうしたいんだよ。そこが一番大事なんじゃないの?

傷ついてもいいじゃん。辛くてもいいじゃん。それを乗り越えられたら、お前は変われるよ。何冊本を読むよりも、行動したほうが成長できるよ。もう知識は十分だから。行動しなきゃ始まらない。経験がお前を強くしてくれるよ。

どんな困難も、お前なら乗り越えられる。大丈夫。お前は強いから。


まずは行動しよう。1番大事なのは、自分がどうしたいかだ。そしてお前の背中を押してくれるのは自分がどのくらい本気かだ。自分の人生の主人公は常に自分である。いつか読んだ本に書いてあったでしょ?自分の物語は自分の手でどうにでも描いていけるんだよ。

それでも、時には死にたいくらい辛いこともあるかもしれない。それでも大丈夫。お前の後ろにはお前を応援してくれる人がたくさんいるよ。その人たちは、自分がやってきたことが間違いじゃないことを証明してくれる。だからまっすぐ前を見て、堂々と道を進めばいいんだ。

最後に、お前の夢は必ず叶うよ。お前がどれだけ本気で夢を叶えたいと思っているか、俺は知ってる。だから、どんな時も自分がやってきたことを信じて、進み続けろ。頑張れよ。


私へ。俺より。




自分の中の二人の自分が教えてくれた。やっぱり人生生きてれば、楽しいことも辛いこともある。でも、どんなにつらくても、目指す場所があるならば、その場所にたどり着くまであきらめることは絶対にない。それを、自分の中の自分たちが気付かせてくれた。最近、夢を叶えるタイムリミットがどんどん近づいてくることを実感して、焦りを感じるし、楽な道を選ぼうとする自分がいることも確かだ。でも、それに気付けた今はチャンスとしか思えない。やるべき時はいつも今。未来がどうとか、将来の心配をする前に、今、この瞬間にもできることがある。その瞬間瞬間の積み重ねが未来を作っていることを知っているから、あとは行動するのみ。今よりもっと、できることがある。努力するのは当たり前で、その質をどうやって高めていくか。


本気で目指しているなら。その言葉を常に自分にかけ続けて、自分を奮い立たせていく。自分を導くのは自分。だから、すべては自分次第なんだと思う。そのためのキーワードが、


どこへなぜ、どうして?

なにをもってそこまで?

いつまで、誰のため、なんのために?


なんだと思う。そのきっかけを与えてくれたこの歌に感謝するとともに、このきっかけをつかんだ俺は必然のラッキーボーイだと思う。



これからも俺は、本気で夢を追いかける。


だから声を大にして宣言したい。

俺の夢はプロサッカー選手になって、バイエルンで活躍すること。

そして自分のプレーで見ている人に勇気や自信を与えること。



夢の舞台へ、自分のため。そして応援してくれている人のために、俺は夢が叶うまで進み続ける。

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