地方の財政状況(2)


歳入の詳細について

前回の「地方の財政状況(1)」については、歳入について書いた。実は歳出と書いていたが、歳入の間違い。一人あたりに必要となる歳出について書いたつもりだったが、データは歳入になっていた。ただし、歳入=歳出でほぼ間違いがないので、データ自体はそれほど変わらないと思う。

今回は、歳入の詳細について書いてみたい。これも結構衝撃的で、地方財政は国からの支援によって賄えていることが明確になった。

地方の国の依存度について

地方の歳入は細かい。ただし、地方だけでやっていけるかどうかについては、国からの「地方交付税」が地方自治体の独自の収入とは言えないだろう。国からの支援と言ってもいい。これをもらっていない地方自治体は、「不交付団体」と言われ、地方自治体としては優秀な部類になる。

https://www.soumu.go.jp/main_content/000826808.pdf

この地方自治体は、国への依存度が少なく、国の言いなりになることはなく自分たちで自治を行えるのだ。今は、73団体しかない。

地方交付税の割合って、どのくらい?

地方自治体のうち、地方交付税をどのくらいの歳入に対する割合を計算した。以下では、区市町村を区分して作成している。

区市町村の地方交付税割合

予想通り、町村については3分の1以上は国からの支援がないとやっていけない。どうだろうか、多くないだろうか?。

厳しいことを言えば、国からの支援がないと成立しない地方自治体は必要あるのだろうか?。もう自治ではない。国に依存して、憲法における文化的な生活を送るために国から支援を受けているのである。残念ながら、このような自治体は、いずれなくなるだろう。自治でも、きちんと産業があり、人があつまり、きちんと納税をしている自治以外はどんどんなくなる気がしている。

都道府県別、かつ区市町村別の地方交付税の割合を見てみる

以下の表を作成した。これを見ると、東京都、神奈川県、愛知県は10%を切っており、国への依存度は少ない。一方で、東北および山陰、高知県等については3割以上を国に依存している。

都道府県別の区市町村別の地方交付税依存度

地方の自治って何だ?

調べてみてびっくりしたのは、地方自治体といいながら国の依存度が高すぎる。そして、国は借金への依存度が高すぎる。
この状態は、流石に100年は続かないだろう。いずれは破綻する可能性がある。国の依存度が高い自治体は、いつその下駄を外されるかわからないし、国もいつ破綻するかわからない。その際に、上記のように地方自治はどんどんひどい目にあっていく。

最近、地方自治が非常に活発になっていると思うようになった。安芸高田市や徳島市、鹿児島市の市長は非常に活発に議論をしている。だが、上記の状態を見ると、申し訳ないが茶番に見えてくる。国の依存度が高い自治に、なんの権利があるのだろうか?。

地方は、国の依存度を減らすための政策を考えなくては行けないのでは?。国はずっと面倒を見てくれるわけではない。いつかは、自分たちで切り盛りをしなくては行けないのだ。

地方自治体と言いながらも、結局は国依存である現状がよく理解できた。

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