インデックスの長期運用について

日々の変動は、思ったよりも激しい

多くの個人投資家に取っては、全米国株式インデックスか全世界株式インデックスに投資をしている人が多いと思う。確かに手軽に銘柄の分散ができており、銘柄も自動的に変わるため、長期投資をすれば元本を割れにくい傾向にある。

ただし、毎日の株価の変動はかなり大きい。
1900年1月から2023年8月までのSP500の営業日ベースのリターンを計算したところ、以下のようになった。

  • リターン: 0.03%

  • 標準偏差: 1.08%

具体的な数字に落とすと。。。

これは何を意味するのだろうか?。例えば標準偏差だけで言えば、1億円を投資していた場合、明日100万円以上儲かる確率は16%もある。逆に言えば、100万円損をする確率も16%あるのだ。そして、リターンを見ると平均して毎日 3万円儲かるのである。どうだろうか?

週に1回は100万円損をし、次の週では1回は100万円プラスになる。それ以外にも、細かい損益を繰り返して、一日平均では3万円収益を得るのである。どうだろうか?。頭がバグらないだろうか?。

こんなに資産の価格変動が高い場合、脳みそがバグってしまい嫌になって手放してしまうことがある。特に価格が下落しているときには、大きく株価が下がっている局面で手放してしまう。

いわゆるリスクというのは、この標準偏差のことを示すことが多い。つまり、自分の資産の価格の振れ幅であり、売りたいときに自分の想定している価格で売れないリスクのことを言う。

これだけ価格の変動が激しくても、賢い投資家はファンドを手放さない

ただし、多くの賢い投資家は、今後も価格が上昇するのであれば、大きく下落しても売ることはない。何故ならば、投資に取って一番大事なのは、”稲妻が光り輝くときに市場にとどまっていること”だからだ。インデックス運用のバイブルである”敗者のゲーム”では、以下に市場に参加していることが大事であることが示されている。このリターンを逃すと、大きくパフォーマンスが低下するし、このタイミングを図ることはかなり難しいのだ。

だからこそ、株価が大きく下がっているときにも、我慢して市場に居続けることが大切になる。

ちなみに、株価が下がるタイミングと、上記の稲妻が光るタイミングを事前に把握することができる人は、いないと思います。自分ならできると考えてしまう人は、考え直したほうがいいと思いますよ。

長期投資のコツは価格をあまり見ないこと

長時間投資をした場合、平均リターンはあまり変わらないものの、標準偏差は下がっていきます。

以下のグラフは、投資をしたときの平均リターンとそのリターンのボラティリティを示しています。これを見て分かることは、例えば15年も長期に投資をした場合と5年投資をした場合の平均リターンは6%前後と変わらなかったですが、標準偏差は8.3%から4.3%に下がって言っています。つまり、日々のリターンのボラティリティは高いものの長期で運用すれば、その平均リターンのボラティリティは低下していくのです。

投資期間と平均リターンのボラティリティ

つまり、何なのかということなのですが、インデックス投資をした場合には、買ったら株価はあまり見ないことです。買ったあとに、毎日株価を見ると、株価の変動にびっくりするかもしれません。ただし、株価を毎月1回程度見るだけであれば、その幅は毎日見るよりも低下しているでしょう。同じように毎年でもいいかもしれません。

そして、市場が光り輝くタイミングをじっと待つのです。それが、市場インデックスで収益を挙げられる方法なのです。

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