とりわけ良い休日もある

きょうは 【ライブ配信・限定入場あり】日仏現代音楽協会&両国門天ホール 「フランス6人組結成100周年記念ミニ・コンサート&ライヴ配信」 に行ってきました!すこし前に友人のピアニスト・瀬川裕美子さんからお誘いを受けたのですが、生のピアノ演奏を聴きたいと昨年末あたりから切望していたので、二つ返事で予約をお願いし、両国へ足を運んだのです。フランスの藝術音楽といえば、ラヴェルやドビュッシーはそれなりに触れてきましたが、その後続世代の6人組についてはさほど聴いていません。オネゲルの管弦楽を多少聴いたくらいです(「パシフィック231」が好き)。

というわけで、オネゲルの「夏の牧歌」(1920)は初めて聴いたのですが、夏田昌和さんと大須賀かおりさんの連弾が、とても息が合っていて素敵でした。夏の午睡のまどろむような感じから、かなり華やかな展開をします。よく聴くと、牧歌という感じではないのですが、終始音の響きが美しくてよかったです。

ミヨー「ブラジルへの郷愁」(1920)は抜粋で、瀬川さんが演奏。1,6,8曲だったかな。最近ジョビンやジルベルトなどのボサノヴァをよく聴いていたので、サンバのリズムが抽出されて変形されたような―つまりクラシック音楽の語法にアレンジされている―感じのリズムと複雑な譜割が印象に残りました。

オーリック 「ムーラン・ルージュ」(1952)は瀬川さんが伴奏、ソプラノの中村香織さんが歌います。この曲は大衆的かつ深みのあるメランコリックなメロディが印象的ですが、歌とピアノの右手がユニゾンする編曲(夏田さんが担当)が施されています。そのためピアノと歌がたいへん優れて呼応し、見事にアンサンブルしていました。他に心に残ったのは、タイユフェル「インカの牧歌」(1931)とプーランク「即興曲第7番」(1932)です。前者はインカというよりは、どこか東洋を思わせる、でも東洋でもなさそうな謎めいた架空の異国の雰囲気がほのかにありました。後者はミニマリスティックなパートが多く、聴いていてとてもとても心地よくリラックスできました。

アンコールも含めて1時間弱のミニコンサートでしたが、演奏者の技量も高く、選曲もとてもよく練られていて、司会の夏田さんの作曲家や演奏曲についてのコメントも適確でムダがありませんでした。今回の演奏会は、WEB配信もされていたのですが、自室などで視聴していた方々もおそらく満足度の高い、愉しい時間を過ごされたのではないでしょうか。コロナショックは数年続くでしょう。けれども、そういった困難ななかでも、どこか軽快であかるいフランス音楽をあつめて、また門天ホールで聴けたらたのしいと思います。気づけばあっという間の1時間でした。この催しに参加・尽力されたすべての方々に心から感謝申し上げます。豊饒な響きに満ちた時間と空間をありがとうございました!

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さえきかずひこ。1980年生まれ。ハイデガー『存在と時間』を2009年に読み直したことから、哲学という野道に踏み込み、早11年。好きな哲学者は、ニーチェ、キルケゴール、ヴェイユ、フッサール、ウィトゲンシュタイン、メルロ=ポンティなど。
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