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詩 『虹色を纏った銀河の旅人』

群青色の夜のカーテンが

降りきった頃


なめらかに切り取られた

満月がその空に


誰にも気づかれぬように

そっと飾られた


僕はひとり悪戯な天使の詞声に

耳をかたむけ


恋人のような妖しいささやきに

心うばわれる


窓枠に縁取られた静寂の

景色の中


長い旅路の果てに

この地にたどり着いた


一筋の銀河の旅人が

最期の輝きを解き放つ


終わりを迎える悦びに

その身を震わせ


別れを告げる寂しさに

その声をとどける

見知らぬ世界に出会えた

驚きとよろこび


眠りにつける安らぎと

来世への誓い


いろいろな想いを抱いた

その瞬きは


この世界のすべての色を

拒みつづけた


ひとりぼっちの僕の心に

虹色の光の雨を降らせた




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