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八つ色の虹をみる こどもたち

遠くはなれた、ある国に

その瞳に、八つ色の虹をうつす

こどもたちが暮らしているという

どこまでも抜ける、蒼い空

もくもくと上がる、白と黒のけむり

ラヴィは、今日も

色とりどりのコードを燃やす

その中から

こどもたちの、命の糧が生まれる

一日中はたらいて

家族五人が食べるのに、少し足りない

大量にあつめられた

そのがらくたの宝物は、遠くはなれた

平和な国からやって来る、という

ラヴィは、平和の意味をしらない

だって...生まれたときから、こうだから

とめどなく上がる黒煙に、音をあげたのか

大粒の雨が、激しく降り始めた

小一時間ほど経っただろうか

今日のしごとは、これまでだ

まだ、すこしだけ熱の残る

それらを、ラヴィはあつめる

すっかり、雨があがり

ラヴィが、みつけた空のなか

大好きな八つ色の虹が

優しく微笑んでいた

ラヴィはふと思った

その平和な国のみんなは

どんな虹を見ているんだろう

ひきかえに手にいれた、八枚の硬貨

ラヴィの虹は、ここにもあった


おしまい


麻衣です!さんの記事『八つ色の虹をみる_こどもたち』で、麻衣さん...その美声で、朗読やっています。こちらもよろしくお願いします。




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