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人生で一番大切な仕事は「思い出作り」

『あなたの人生で一番大切な仕事は「思い出作り」である』

家族写真プロジェクトを運営しているおひるねアート協会の理念は
「思い出写真づくりのお手伝い」
なので、タイトルにある言葉をずばっと言いきれたらとても格好良かったのですが、残念ながらこちらは私が考えたものではありません。

ベストセラーにもなったビル・パーキンスという著者の
『DIE WITH ZERO(ゼロで死ね。)』
という本に書かれていた言葉です。

著者の父親が病に伏せ、一緒に旅行も行けなくなってしまったときに、父親の昔の栄光を収めたムービーを著者は作成し、プレゼントをしたら、その映像を見て父親はとても喜び、毎日思い出を反芻し「人生最高のプレゼントだ」と喜んだそうです。

『人は誰でも、常に思い出を通して人生の出来事を再体験できる』

人生の最後に残るのはものではなく思い出なのです。

人生を経験値の多さで測る

私が本の中で印象に残っているものに

人生は経験の合計だ。あなたが誰であるかは、毎日、毎週、毎月、毎年、さらには一生に一度の経験の合計によって決まる。最後に振り返ったとき、その合計された経験の豊かさが、どれだけ充実した人生を送ったかを測る物差しになる。

『DIE WITH ZERO』44ページより引用

という文章があります。

人は、経験値の合計でどれだけ豊かな人生を送れたかが決まるというものです。
「経験からは、その瞬間の喜びだけではなく、後で思い出せる記憶が得られる」
50代よりは30代、老後の資金が溜まって定年後…ではなく若くて体力があるうちに早めに経験をしておいた方が、その分の経験のほかに、思い出として更に配当が多く得られるというものです。

著者はこれを『記憶の配当』だという

若くして行った旅行先の思い出は、死ぬまでの間、その旅行を回想したり、一緒に行った人と思い出話をしたり、友人に話して共有したり、同じように旅行の計画を立てている人に向かってアドバイスも出来ます。著者は
元の経験から副次的に生まれる経験は「記憶の配当」
だとして、早ければ早い程良いと説いています。

株の話で例えると、得た配当をその株にまた再投資すれば、複利の力で雪だるま式に増えていきます。
それと同じで、経験も、生きているうちに出来る限り早く多くの事を経験すれば、得られる記憶の配当も多くなるということです。
(だから、お金を貯めこみすぎずに適切な時期に適切に使いましょうということを著者は解説しています)

『DIE WITH ZERO』57ページより引用

投資をするのであれば、経験に投資することで、経験ポイントも増える。
そして経験ポイントの使い方としてとても良いのは
その経験を誰かと分かち合うこと
だと著者は述べています。

「自分が経験したことを誰かに話す。その経験をネタにして笑いあい、絆を深め、アドバイスをする」

家族写真でいうならば
「家族で経験したことを家族で話し合う。一緒に過ごした経験をネタにして笑いあい、絆を深め、さらに家族仲を良くしていく」
ということでしょうか。まさに、家族写真プロジェクトが提唱する
『1.話す 2.撮る 3.残す 4.話す』
の循環だと言えます。

記憶の配当はIT企業でも多く活用され、facebookやGoogleフォトはまさに
「何年前の今日」
を表示させることで、ユーザー側に記憶の配当をもたらし、ユーザーが使い続ける仕組みを作っていると著者は言います。

「いくらお金を積まれても、大事な思い出とは交換できない」
「人は大切な写真をアルバムに残し、火事の時には真っ先に持ち出そうとする」

それくらい、思い出は人生において大事なものです。
危機が迫った瞬間、人は本能的にお金で買いなおせるものではなく、失われたら二度と取り戻せない思い出の品を守ろうとします。

思い出作りは、何も特別な場所に旅行に行かなくても、たくさんのお金をかけなくても、日々の生活の中からいくらでも作れるものです。

たとえば、小さな子どもを抱っこする時間。
一緒に本を読む時間。
手を繋いでお散歩する時間。
両親と話をする時間。

「これが最後」の瞬間は、急にやってきて、「今が最後だよ」なんて誰も教えてくれない。

だから、今一緒に過ごしている時間をいつでも最後だと思って、大事にしていきたいなと思います。

記憶の配当を多く得るためにすること

本書のなかでは記憶の配当を多く得るためにすることとして

『経験をしている最中にたくさん写真を撮る。その経験を一緒にした人たちとの再会を計画してみる、動画やフォトアルバムを編集してみる』

ことを提案しています。
経験を忘れないように写真や動画に撮り、その写真や動画を使ってムービーやフォトブックなどにまとめ、さらに一緒にその経験をした人たちと思い出を共有する。

これによって記憶の配当は大きく膨れ上がるでしょう。

経験で得た気持ちを言語化する

私は更に、その経験で得た気持ちは言語化して日記にしたり、手紙にしたり、動画にキャプションをつけることを推奨します。
写真や動画では客観的な記録は残せるけど、その時に感じた思いや感情は残すことができないからです。

できれば、気持ちや感情はそれに近いことばで言語化してして残しておきたいものです。

ディズニーの映画「インサイドヘッド」には、主人公ライリーの頭の中には思い出・記憶の島と思い出のボールがあって、嬉しい思い出(感情)は黄色、悲しい思い出(感情)は青と色分けがされていました。
でも、思い出のボールが時に黄色から青に変化するように、ボールの色には全て一定の感情が乗っているのではなく、グラデーションを作っているはずです。
その色に、言葉でラベリングするイメージです。

思い出の島には忘れ去られていく思い出(崩れたりゴミ置き場へいってしまう)もあるけれど、なくなったわけではなく、写真やことばが残っていれば、いくらでも復活できるし、ゴミ置き場から取り戻すことができます。

記憶の配当を最大化するおすすめの方法

私が実践している方法として、いくつかおすすめの方法があります。

1.クラウドにすべての写真を残す

2020年に、私は自分が生まれた1984年から今までのすべての写真をデータ化し、Googleフォトに残しました。

そして、現在も全ての写真をクラウドに残しているので、生まれてから今までの38年分の写真と動画がスマホ一台でいつでもすぐに見られます。

これは記憶の配当にすごく良い効果をもたらしました。

・我が家は年末年始に家族で実家に集まります。
その時に、家族写真を1枚とっているのですが、毎年の家族写真をGoogleフォトで「1月1日」と検索するだけで見ることができるので、昨年はこうだったね、おばあちゃんがいた時はこうだったね…とすぐに家族で会話をすることができます。

・季節ごとに毎年訪れている場所がいくつかあるのですが、その場所で同じポーズで比較写真を良く撮っています。昨年はどこで撮ったっけ…と忘れてしまっても、いつでもスマホで確認することができます。

・比較写真を取り出して編集するときも、そこに行った日や場所で検索できるので、すぐに取り出せて編集が可能です。

この「思い立った時にすぐに取り出せる」という気軽さが、記憶の配当に莫大な効果を生み出したと感じています。
これが、アルバムやパソコンのHDDのみに残されていたら、取り出す作業をするのに時間がかかり、結果、断念するのは目に見えています。

2.facebookを活用する

今のところfacebookが日記としても優秀なので愛用しています。
「何年前の今日」
が思い出ボタンで見られるので、毎年クリスマスや年末など節目の日には見返しています。
facebookが良いのは「人に見られる前提で書いている」ところです。
ある程度頭の中をきっちり整理して言語化できています。
また、コメントが残るので、懐かしい名前に再開したり、そこでまた交流が復活したりという効果もあります。

3.日記をつける

私は長女が生まれた15年前から10年日記をつけています。
育児日記をはさんだりしているので、連続ではありませんが、いま2冊目の日記の2ターン目に突入しました。
ルーティン化してしまえば、毎日書かなくても2週間分をまとめて書くなどして対応しています。
基本的に自分しか見ないので、facebookよりどうでもよいことも書けますし、知られたくないことも自由に書くことができます(だいたい、子どもたちの行動や備忘録にはなっていますが…)
写真と紐づけて自分や家族の行動を記録し管理できるので、より鮮明に思い出を残すことが可能です。

4.写真を家族がいつでも見られる場所に見られるようにしておく

今年、我が家はEcho Show 5を二台導入し(リンクは8です)リビングと寝室に置きました。

エコーショー5は画面付きなので、スピーカーのほかにYOUTUBEなども見られるのですが、思い出の写真を登録しておくと、その写真も流してくれるのです。
不意打ちで、昔の子どもたちの写真や旅行の思い出が出てくるので、とても懐かしい気持ちになりますし、家族で会話も弾みます。

テレビをよく使う家ならおもいでばこなどもおすすめです。

5.アルバムやフォトブックにまとめておく

私が毎月活用しているのは

アルバスの写真サービス(毎月写真をプリントしてくれるサブスク)

ノハナのフォトブックサービス(毎月フォトブックを作ってくれるサブスク)

家族をチームにする「FAMILY NOTE」

の3つです。

・毎月の日常を含めた出来事はアルバスで写真プリントしアルバムに
・毎月のイベント(お出かけをした日など)ハイライトを1日でまとめてノハナでフォトブックに
・日々の印象深い出来事や見返しておきたい思い出はFAMILY NOTEに

と使い分けています。

毎月末、写真を選ぶということをルーティン化しておけば、そんなに苦ではありません。
そうやって、半強制的に思い出を形に残しています。

6.一年を振り返る時間を作る

家族写真プロジェクトでは一年の振り返りシートを期間限定で配布しています。

LINE登録でプレゼントしています。
今年の漢字一文字や、今年の家族写真、今年のありがとうなど、一年を振り返る時間を強制的に取れるのでおすすめです!

我が家も毎年家族の忘年会も兼ねて記録を綴っています。
LINE登録はこちら
ぜひご活用くださいね。

人生で一番大事な仕事をより豊かにするために

冒頭で『あなたの人生で一番大切な仕事は「思い出作り」である』
と述べました。
思い出作りといっても、ただ経験を積むだけでは最大限の効果を発揮されないこともわかりました。

いつでも取り出せる形にしておき、反すうできるような状態に経験を残し、整理しておくこと

得た経験は一緒に体験した人と共有する時間を持ったり、誰かと分かち合うこと

が大事だということがわかりました。

写真や、言葉を残すツールは、年々進化しています。
「モノより思い出」という言葉がCMで流行りましたが、まさしく、物を買うのは誰かと思い出を分かち合ったり、経験をより豊かにしたいから。
経験をより豊かにするツールにお金を払うのだと思います。

記憶の配当を増やすために、今できることを始めてみませんか?

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