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つながりすぎる時代の副作用「エコーチェンバー」と、その対処法-204号-

(2020年11月4日サロン向け動画を記事化しております。)

教会や密閉された部屋の中に入ると、自分の声が反響して、いろんなところから戻ってくることがありませんか? 教会のように、音が反響する閉じられた空間を「エコーチェンバー(残響室)」といいます。

つながりすぎる時代には、その副作用で、だれもがいつの間にか陥ってしまう「エコーチェンバー」という現象があります。どうすれば自分のいきすぎた行動を防げるのか? 自分が偏りすぎないために大事なことなので、解説しておきたいと思います。

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「エコーチェンバー現象」とは?
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インターネット、特にSNSやYouTubeでは、プラットフォームの会社がユーザーに長くいてもらうために、見ている人が好きな情報だけを提示していきます。

ユーザーは多様な世界とつながっているつもりだけど、いつの間にか好きなモノばかりを見てしまっている。そして、「世界は自分が好きなモノだけで存在しているから、自分が考えていることは正しいと思ってしまう。それをエコーチェンバー現象といいます。

3年前のTEDで、すごく話題になったトークがあります。そのトークの中で、ある社会学者が実験をした結果、YouTubeのユーザーは視聴時間の8割以上自分が選択していない動画を見ていることがわかりました。

ジーナップ・トゥフェックチー: ネット広告の仕組みが拓く ディストピアへの道 | TED TALK (日本語字幕付):


ㅤYouTube動画って、1本目はチャンネル登録した動画や検索して出てきた動画を見るケースが多いですよね。
でも2本目以降は、自動再生の動画を見ていることが多いです。自分で選択したような気になっているけど、1本目の動画を見たあとに出てくる5つくらいの関連動画の中から選んでいる。
これは、1日にウン十万上げられる動画のたった5つくらいの中からしか選んでいないことを示しています。

YouTube側は、「みんな自分の好きな動画を見たいだろう」と思います。だから「西野(亮廣)さんの動画を見たなら『えんとつ町のプぺル』の動画も見ておきませんか?」と、良かれと思って提示していくわけです。

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「エコーチェンバー」のリスク
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今お話ししたパターンや、「ちょっと保守的な動画を見る」くらいだといいんですけど……。実験で何がみえてきたかを説明します。

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