あれってなんだったの? 山下達郎③
さてそんなところが山下発言の「ほぼ全文」ですが、では具体的にこの〈文章〉で何が話されているか、流れにそって確認してみましょう。
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注記でも断りましたが、「★○○」とはカズノで勝手に振った題字です。つまり山下文章にそれらの節タイトル/区切りはありませんが、まずその「★前文」。
【★前文の解釈と感想】
この★前文は、まんま前文ですよね。芸能シーンでいうところの、いわゆる「前説」というやつなので、とくべつ注目する内容は無いと思います。
どういう経緯からこれからの話をするのか──松尾言及から始まった山下問題について話しますという、それだけの話です。
次。
【★節Aの解釈と感想】
次の★節Aですが、ここも特に注意すべき点はないと思います。
「まずもって、私の事務所と松尾氏とはですね、彼から顧問料をいただく形での業務提携でありましたので…」から始まる節ですが、その内容は大雑把に、
・スマイルカンパニーと松尾氏とはどのような契約関係だったか
・その契約関係が今回、どのように解消されたか
・その契約解消に際し、山下はどういう立場にいたのか
といったものです。要するに、今回の松尾山下騒動の状況説明ですよね。
具体的には、
・スマイルカンパニーと松尾とは、雇用関係にあるのではなく、業務提携契約である
・この業務提携契約が、今回解消となった
・要するに、雇用者から一方的に首を切られた被雇用者が松尾ではないし、被雇用者の首を一方的に切ったのがスマイルカンパニーではない
・ジャニー喜多川もしくはジャニーズ事務所への松尾の言及も、今回の契約解消の一因ではあるが、他にも原因はいろいろある
・この契約解消に、山下は関与していない。契約の解消/継続うんぬんの交渉は、スマイルカンパニーの現運営者によって行われた
といったものですが、まあ付け足すなら、
・スマイルカンパニーと松尾は業務提携という間柄らしいから、まあたぶんそれは、「双方合意の下で契約解消に至った」と考えるべきだろうな
・スマイルカンパニーの現経営者(小杉周水。小杉理宇造の息子)との交渉だったんだろうな
ということも分かるのが、この山下の状況説明=★節Aでしょうか。
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ひとによっては、この山下の説明に疑惑を感じるかも知れません。山下本人が言及しているように、「ジャニーズ事務所への忖度から、松尾氏との契約解消を、山下からスマイルカンパニーに提案した──と考える人もいるかも知れない」といったことです。
山下が述べていることが事実かどうかは分からない、と。
そうかも知れませんが、でも、山下の話が嘘か本当かは、この〈文章〉からは分かりません。
分からないことは分からないままにしておきましょう。
そういう読み方をすると、★節Aとは、松尾氏の契約解消に至った経緯と、そこにどのように山下が関わっていたかの、状況説明だけです。
ですので、あえて注目するような内容はありません。
「なるほど、そういう経緯だったんだなあ」と思っていればいい内容です。
契約解消に至った経緯が、松尾サイドの言い分と違っていたとしても、どちらが事実かはこちらには分かりません。これも同じです。
山下サイドの言い分、松尾サイドの言い分共に、「なるほど、山下サイドからするとこういう経緯だったんだなあ」「でも松尾サイドにするとこういう経緯だったのか」とストックするだけですよね。
いちばん大事なのは、この「★節A」で述べられた状況説明を前提にして、これ以降の山下の発言がなされている、ということです。
少なくとも山下サイドからすれば、★節Aで示された経緯/状況が事実であり、その経緯/状況を事実とした上で、その後の発言が行われている。
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