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あれってなんだったの? 松尾潔①

 こんばんは、カズノです。
 こないだ山下達郎の話をしましたけど、いちおうあれはあれで完結した話だと思ってます。なのでどうしようか迷ってたんですが、やっぱり山下発言の原因になった松尾潔の話もちょっとしておこうかな、というのが今回の松尾編です。

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 ジャニー喜多川の問題に、ラジオで言及した松尾は、そのせいもあってスマイルカンパニーとの業務提携契約を解除することになりました。
 ところで、この一報を聞いたおれは、こう思いました。
 だとしたらこれから、音楽も言論も社会的活動も、自由に行える立場になったのが松尾だ。
 という風に。

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 例えば(あくまで例えですが、でも双方の言い分から考えるに)、
 そのままスマイルカンパニーとの関係を続けて、「松尾さん、ああいった発言はもう少し控えてもらえるとありがたいんだけど」とか「じゃないとうちも、松尾さんとの契約に制約を設けないとなんないとこがあるんだけど。ま、今は具体的に何がってわけじゃないんだけど」とか、いちいちねちねち言われることはありません。
 松尾から「やはり喜多川さんの事務所との関係を考えるべきではないでしょうか」とか「喜多川さんの事務所はこうしていったほうがいい」とあれこれ提案し、「まったくその通り! 検討しましょう!」と返されながらも一向に聞き入れられない、そういうこともありません。

 契約の解除によって、そういうものすごーく居心地の悪い気分を持たなくてよくなった。
 つまりマネージメント会社との人間関係に、うそ寒い空気が漂うことによって、肝腎な音楽活動すらぎくしゃくするような事態もなくなった。

 もちろん松尾のことですから、「自分の気分がいいとか悪いとかじゃない。正すべきは正すのが当たり前なんだから、どれだけ窮屈な環境だって僕は気にしません。社会のためです」と思うのかも知れません。
 けれど、正すべきものは正そうとする松尾が、自由に社会を正していける環境は、「スマイルカンパニーとの契約が無い環境」なのも確かです。
 そして実際そうなったのが松尾です。

 もちろんそうなったのは──スマイルカンパニーとの契約が解除されて、松尾が自由になったのは「結果的に」の話です。
 でもじゃあこの「結果」を用意したのは誰なのか? と。

 →松尾発言

 松尾本人の言は上記ですが、それによると今回の契約解除は、スマイルカンパニー・サイドからの無理押し(と呼べるだろうもの)だったようです。
 松尾にすると、そこには山下達郎・竹内まりや夫妻も含まれているようです。そう読んでよい文脈だと思います。

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 今日の話し方に合わせれば、どうも松尾は、スマイルカンパニー(山下・竹内を含む)から自由をもらったらしい、ということです。
 心情的にはともかく、物理的にはそのように、音楽も言論も社会的活動も自分の思い通りにやれる環境をもらった。

 蛇足ながら、こういう場合、無理押しで関係を切られたほうが自由度が増すでしょうね。ヘンに円満な恰好の契約解除より、冷たく拒絶されたほうが、今後、妙な恩情や気遣いを持たずにやっていけます。
 ほぼ完全な自由でしょう。

 松尾契約解除の一件は、構造的にはそういう内容になっている、ということです。



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