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#006_裁判員裁判に呼ばれた話


※裁判所の許可を得て執筆しています

去年、裁判員裁判に呼ばれた。(裁判には参加していない)
事件の概要を伏せれば書いてもよいと裁判所よりお許しを得たので書く。

制度自体の認知度はあるものの、実際どうなのかわからない人も多いと思うので参考になれば。

裁判員として裁判に出席するまでには多くのフローがある。
ざっくりとした流れを説明しようと思う。

1.通知
2.呼び出し
3.オリエン
4.(面談)
5.選定
6.その後

大きくは上記6STEP。
ひとつひとつ簡単に説明しようと思う。

1.通知
まず、年始にこんな封筒が届く。

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普通にビビった。なんかやったかと思った。


 ようは、「今年一年間あなたは裁判員裁判に呼ぶ人リストに入れたから」
と言う通知。毎年約20万人ほどに送られているらしい。
この時点では、その一年の間に呼ばれるかわからない。
また、この話は家族と上司以外には絶対話してはいけないと記載されていたので、誰かに共有することもなく静観していた。(SNS等もダメで、口外したら法律で罰せられるから、と書いてありました)

中にはいろんな書類がはいっており、


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こういった「マンガでわかる」的な冊子も入っている。優しい。

このタイミングでは、封筒に同封された「調査票」に記入し返送する。
調査票の中身の記憶が若干怪しいが、

・公務員かどうか(公務員はだめらしい)
・裁判所へ行けるかどうか(ケガ、出産等)
・仕事は大丈夫か(裁判に行ったら会社が傾くか)

あたりを聞かれたと思う。
上記のような理由がない限り辞退はできない。
返送が済めば、特にやることはない。
なにも起きずに一年過ぎ去ることもある。

2.呼び出し
ある日大きめの封筒が届く。
中身は「裁判員候補者に選ばれたので裁判所に来て」という書類。

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こんな紙が入っている。
事件が特定されてはいけないので日付隠し。

ただ、この時点ではまだ裁判員に選ばれることが確定していない。
裁判員選任手続きを経て、選ばれることとなる。
再び質問状に記載をし返送。
その期日に裁判所へ行く。

3.オリエン

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カメラロール漁ったら裁判所の写真しっかり撮っていた。
ど平日だったので、午前休を頂き霞が関へ。
裁判所に行く機会なんてめったに無いので、色々と緊張していたと思う。

ちなみに入り口では空港の検査と同じようにカバンをX線にかけ、金属探知機による全身検査があった。
また、裁判所内は全区画撮影禁止だった。

指定された場所に行くと、番号の書かれたネックストラップを渡される。
個人情報保護の為、以降番号で呼ぶと言われた。
その場には老若男女20人ほどがいたと思う。

改めて裁判員裁判の説明を受け、今回の事件に関するオリエンを受ける。
詳細は書けないが、その時期普通にテレビで報道されていた大きい刑事事件で驚いた。
オリエン後休憩が入り喫煙所でお兄さんと「すごいっすね」と話した記憶。

それを聞いた上で、改めて質問票に回答をする。
事件の関係者かどうか? 事件を聞いて本当にやれる?
あたりだったように思う。たぶん事件の写真などを見ることになるけどメンタル的に大丈夫? といったニュアンスだと思う。

回答後、この事件の裁判長・検事3名・弁護士3名が全員の前に挨拶をしにきた。裁判長が、改めて裁判員をやる意味について等話していた(気がする)
※後述するが、実際は候補者がどんな人か見ていると思った

4.(面談)
()をつけているのはこの日集まった人はだれも面談をしなかったから。
この裁判長らの説明後、彼らが質問票を見た上で会って話したい人がいれば面談するようだった。
とても不安に思っている人がいれば解消したり、ヤバそうな人がいたら話してみたりという意図だと思われる。

5.選定
いよいよ最終段階。
ここに集まった20人から、6人の裁判員と2人の補充裁判員が選ばれる。
※補充裁判員とは、公判期間中裁判員に不慮の出来事があった際に出張る人

正直ここまで覚悟して来ているのだから選ばれたかった。
しかし結果は落選。

選び方はくじ引きらしいのだが、実はくじの前に、
「検事側、弁護側それぞれ無条件で4人ずつ落選させることができる」
という権利を行使できる。また、行使したかどうかすら、公開されない。
先述した説明時に、なんとなくヤバそうな人は目をつけているのだろうな、と勝手に解釈した。そして私は非常に目立つ髪色をしているのでここで落とされたのだろうなと思っている。

なので、12人からくじが引かれ、8人が選ばれる。
この12人が誰かもわからず、選ばれた6+2人の番号が部屋に張り出される。

まるで受験番号が張り出されるかのようだった。

6.その後
選ばれた8人は別室に呼ばれ、残された12人はアンケートを書く。
不服? どう? 的な項目もあった気がする。

ちなみに、落選した12人は、そのまま裁判所見学ツアーができると言われ、ケアしてきているのかなと感じた。

せっかくなので裁判所見学ツアーに参加し、よくドラマで見るあの法廷にも入らせてもらった。
さらに、伝わるかわからないがマントみたいなアレを着させてくれて裁判長席に座らせてくれた。
裁判所の職員の人がシャッター押すのは大丈夫とのことで写真を撮ってくれた。(SNSはNGだった)

確かに、ちょっと来た意味あったかなと思えるから良い施策だと思う。

そして解散。

最後、せっかくなので裁判所の食堂でラーメンを食べて帰った。

※ちなみに裁判員裁判は、裁判所へ行くところからお金がもらえる。
私は選定日の日給と交通費をもらった(国が定めた日給)

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