RUN‼カズマール 9本目~第56回中国中学校駅伝~
こんにちは。広島県福山市で市民ランナーをしているカズマ―ルです。
私が陸上競技やマラソンから得た経験をシェアしていくことで、ランナーさんやランナーのご家族を持つ方々に少しでも参考になればいいなと思っています。
それでは宜しくお願い致します。
3連覇を目指す磯松中学校
以前書いたように、全国中学校駅伝が開催されて3年目。
全中駅伝は、6区間で全て3㎞の周回コースになっている。
中学生の長距離強化の一環として開催されている全国大会だから、基本ロードよりもクロカンに近いコースになってるんよね。距離も3㎞まで。
以前の中国中学校駅伝(広島県大会)は1区4.7㎞とか2区4.0㎞とか。中学生にしては長い距離を走る大会だったから、全国大会に合わせて県大会も距離を合わせよう、という話に至ったらしい。
この56回大会からコースが変わり、東広島市運動公園陸上競技場を発着点とする7区間(3㎞前後/1人のコース)になった。
私達の中学校にとっては地元だし、勝手知ったるコースであるけれども、そもそも総合力で勝負していた賀茂東広島の中学校に対し、距離が短くなると有利になるチームも出てくるわけだ。
この年は、磯松・八本松(以上東広島市)・東城・熊野東の4校が3000mの平均タイムが9分30秒前後で前評判が高く、4強の争いと言われていた。ただ、前述したようにコースが変更になっており、どんな展開になるのか読めない。どこの区間がエース区間になり、優勝を目指す為、上位に進出する為にどういった区間配置が良いか、わからなかったのだ。
この年の磯松チームは、
〇つっこ 9分5秒
〇カズマール 9分21秒
〇タナカ 9分29秒
〇イッペイ 9分30秒
〇イケワキ 9分29秒
〇タニガワ 9分35秒
〇ケンイチ 9分38秒
〇ツヨシ 9分45秒
こういったラインナップ。
最終的に策士安森(監督)がセレクトした配置は、混戦の1~3区を上位で進め、経験もあり駅伝に強いカズマールとエースつっこを4区・5区に配置し勝負を決める作戦だった。
混戦模様
1区スタート。競技場を300m走ってロードへ出ていく。最初の1㎞は激下り。おれこういうコース好きなんだよなぁ。実は走ってみたかった1区。2㎞あたりから実力者が前に飛び出していき、高校で同じチームになる今津が区間賞を獲得。
磯松は…28位だったかな。馬群に沈んでしまう。1区を担当した後輩はものすごく責任を感じて落ち込んでいたけれど、翌年主将として同大会2位に導く。高校でも陸上を続け、私と同じく陸上で大成はしなかったけれど、当時からの夢だった料理人になり、現在は大阪で店舗経営をしている。素晴らしいやつだ。
全国大会の時もそうだったけど、私達の中学は強豪なので基本前でレースをすることが多い。自分の前に27人もいる状況なんて来ないんだよね。2区・3区を終了して、私の所へ襷が渡った時はトップから1分差。この1分、とっても長かったなぁ。
私に襷が渡る。焦るな、落ち着け。そう言い聞かせてスタートした記憶がある。道が開けて遠くまで見える場所にくると、先頭は遥か彼方に見える。2.9㎞で追いつける距離ではない。ダメかも。と不安がよぎる。そう思いたくはないけど、その光景は見たことのない景色だった。1㎞通過。2分55秒あたりだったと思う。まあ、想定内ではある。ただ、何人抜いたかわからないが、だいぶ遠くに大きな集団がある。そこまではまだ全然追いつけない距離だ。2㎞通過。タイムはもう覚えていない。完全に乗り切れず、雰囲気に飲まれてしまっていた。ラスト900m辛くて仕方なかった。オーバーペース?そうかもしれない。調整不足?多分、そうだろう。だけど、「優勝」を目指すにはあまりにもかけ離れた位置でのレースに、ただただメンタルがやられていた。襷を渡して、倒れ込んだ。起き上がれなかった。
つっこは、私の前にいた10数名をごぼう抜きにし、チームは最終的に4位まで順位を上げた。
#なんでごぼうなのかな (笑)
県大会で、駅伝チームとして、優勝すること。
先輩方、そして自分の貢献でもそれを成し遂げた2年間を過ごしてきて、県の舞台で私にとって初めての敗北。
あの日ほど泣いたことはないし、自分を責めたこともなかったかもしれない。翌日、学校に行くとたくさんの人がTVを見ていて、声をかけてくれた。担任の先生は「負けたけど、それでも県4位だ。私としても誇らしい。」と言ってくれた。でも、当時の私には受け入れられない現実だった。
自分は主将として、ちゃんとできたのか。
ただマジメなだけで、引っ張るべきところで仕事できていなかったのではないか。
今でもあのときの話になると、あれはカズマがいけんかった。
とつっこには言われる。
たしかにそうだ。と、今なら客観的に思える。
ただ、1区コケてしまった後輩も、力を出し切れなかったメンバーも含め、この経験は何よりの財産になっていると思う。その後、自分の人生においてこの土台は活かされている。県4位で、悔しくて泣けるぐらい、私達は努力したし、結果を出したし、その土台をみんなで築いたんだから。
レースに勝つこと、速く走ることだけが陸上競技ではない。特に、中学生や高校生は、これらの経験を経て、どんな大人になるのか?ここが学生スポーツ、スポーツを通じた青少年の育成の本質的な目的なのだ。
だから、もし、県大会に行けなかった、県大会で負けて全国大会に行けなかった、全国大会で入賞できなかったと、悔しい気持ちを抱く少年少女がいたら、まずこれまでの努力がなければそこに辿り着けなかったこと、成長した過程を褒めてあげてほしいし、その価値を伝えてほしいと思う。
そして、それができるのは他でもない親であり、我が子のそういった努力や頑張りに最も感動するのもまた親じゃないかな?と思う。
長くなりましたけども…笑
私にとって、中国中学校駅伝は青春だったし、栄光も挫折も味わわせてくれた唯一無二の大会だった。
最後に、中学生の頃の練習メニューをまとめて、
中学生編を締めたいと思います!!
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