オニール流!大暴落の予測法『ディストリビューション日』を検証してみた!
書籍『オニールの成長株発掘法』のCANSLIMの、第9章『M(Market Direction=株式市場の方向)ーーー見極め方』にて紹介されている大暴落の予兆方法であるディストリビューション日(売り抜け日)が使えるのかどうかを検証してみる。
書籍での定義は下記である。
ディストリビューション日(売り抜け日)
・どれでもよいので指数で確認する(個別株ではない)
・0.2%以上の下落率
・前日の出来高より大きい
このディストリビューション日が、4~5週間に5~6日あれば下落するというもの
Tradingviewにて、20営業日で5日以上ディストリビューション日が発生した場合は、赤色で『×D-』を表示してみた。
また参考に全く逆の条件を、青色で『●D+』を表示してみた。
さて、過去の大暴落で検証してみる。
1.コロナショック(2019年12月~2020年3月)-34%下落
2.リーマンショック(2007年10月~2009年2月)-53%下落
3.ITバブル崩壊(2000年8月~2002年9月)-46%下落
4.ブラックマンデー(1987年8月~1987年11月)-30%下落
これら4つのチャートを確認してわかることが、誤検出が多すぎて全く使えない指標であることがわかる!
▼ディストリビューション日が少ない期間
逆にチャートからディストリビューション日が少ない期間を探してみた。
1.1995年の1年間
1995年の1年間は、『青D+』が多く『赤D-』は2回しか発生していない強気相場であったことがわかる。
2.2020/11~2020/04の6ヶ月間
こちらの期間は『青D+』も『赤D-』も少ない。
▼結論
ディストリビューション日では、大暴落を予測することは困難である!
参考にすると、かなりの上昇のチャンスを逃す可能性がある。
(今後の可能性として)
しかしながら『大暴落が起きる時=出来高を伴って下落する』ということは、論理的には正しい考え方なので使える場合もあると思われる。
論理的に考えると、その時々で大暴落の原因が異なるため、『投資家への恐怖の浸透スピード』が異なるため『期間と下落スピード』も異なるはずである。
となると、結局TOPからどれだけ下落したかで判断するのが一番よいような気がしている。
これはつまり『損切ルール』と同じなので、まずは損切ルールを順守することを徹底した方がよいと思われる。
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