環境の力を活用する
息子は週末になると、野球モードになるが、平日は野球の練習を促しても、ゲームに夢中で全く野球の練習をしようとしない。それでも平日・休日関わらず、時間があればゲームをしていた以前に比べればまだよくなったが、せっかく休日に練習をして上手くなったのに、また次の一週間で元に戻ってしまうので、それがもったいないと常々思っていた。上手くなるためにも、継続していくこと、つまり、平日の自主トレというのが必要になってくる。
私自身も反省している。息子のモチベーション、つまり、やる気にアプローチした声掛けをこれまで行ってきた。しかし、これが全く効果がない。
結局、「気分」というのは、ブレやすく左右されやすいもので、何かをはじめるときの導入には必要かもしれないが、継続することをモチベーションに頼ってしまってはいけない。このことを息子を通じて思いっきり痛感させられてしまった。
モチベーションはどうせ下がっていくものだということを前提にするならば、モチベーションと関係ないアプローチをしなければ、結果が同じになってしまう。そこで、私はモチベーションでなく、「環境」にアプローチすることにした。そこから、「マニュアル化」や「習慣」にまで、レベルを上げていこうかと思っているが、息子の状況をみているといきなり「習慣化」というのは、難しそうなので、今回は「環境」にアプローチした内容をご紹介したいと思う。
息子は、あまり主張するタイプでないためか、なぜか自分より上手い選手から好かれるケースが多いように思う。見ていてよく、「キャッチボールやろう」、と言われることが比較的多い。
そこで、息子と仲良くなった選手を誘って、「バッティングセンターに行こう」と誘ってみた。普段私が誘うと、息子はほとんど来ないが、○○くんも誘うよ!というと、今度は息子は間違いなく来る。息子一人、もしくは私だけだとなかなかモチベーションも続かないが、みんなでやる、となるとしっかり参加する。「環境の力」は恐ろしいものだ。私の悩みを一気に解決してしまった。
これは、我々大人にも当てはまることかもしれない。たとえば、自分一人でジムに行くとなると、なかなか通い続けるのが難しい人もいるだろう。それを証拠に、日本人でジムに行っている人は4%程度だという。運動すれば、病気も防げるし、見た目もよくなるし、いいことずくめにも関わらずだ。結局は、「めんどくさい」という理由に行き着くのだが、それが他の人と一緒にいくとなると、苦じゃなくなったりすることもある。
息子の場合の、「環境の力」はちょっと強引で長くは続くものではないが、これをきっかけに、最終的な目標は、「習慣化」である。私の師匠も「人間は忘れる生き物だ。その代わり、神様は人間に習慣というプレゼントをくれたんや。」と言っていた。習慣はそのまま人格となるので、何を習慣にして毎日生きているのか、このことには注意しないといけない、と教えてくれた。
習慣にモチベーションは不要だ。おそらくあなたも歯磨きするのに、わざわざ気合いを入れたりはしないだろう。歯磨きは習慣化しているので、朝起きたら自動的・機械的に洗面所に行って歯磨きをしているはずだ。それも毎日、よく考えたら歯磨きもめんどくさいことである。それにも関わらず、習慣化してしまえば、逆に歯ブラシしないとなれば、何か気持ち悪いとさえ思うはずだ。
野球でいえば、普段のストレッチや自分の課題を10分でもいいので、毎日の生活に取り入れて習慣化できたら、あなたはすでに成功している。そのための第一歩として、環境の力を借りてみるのもいいだろう。私の友人は環境を変えたく、テレビを捨てた。あなたは、どんな環境の力を借りれば、あなたの望む未来を手にすることができるだろうか。
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