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頼まれごとは試されごと

野球のコーチに携わって、約半年が経過した。はじめは、周りの方も遠慮しているだろうと思って、こちら側からいろいろ働きかけていった。それでも、新入りの私に対する警戒心はこびりついているようで、なかなか取れず、ごくごく一部の人や選手が質問したり、一緒に練習をしたりしていた。

そんな中、やはり私の中でも選手たちに勝たせてあげたいという思いがあり、まだ幸いなことに身体が動けるので、選手たちと混じって、一緒にランニングして声を張り上げたり、きついアップにも一緒に取り組むことによって、チームの士気を高めることに努めた。

私自身、現役時代は強いチームにも弱いチームにも所属していたこともあり、そのチームの「雰囲気」の違いというのが、肌で感じているつもりだ。強いチームの盛り上がり方を知ってもらいたく、選手を引き上げる意識で練習に携わっていった。

すると、あるコーチから、「今日の練習の雰囲気最高でしたね」と、言われたり、今まではやっていなかったバッピ(バッティングピッチャー)もお願いされるようになったり、といろいろ潮目が変わってきたと感じる。

そして、最近嬉しいことがあったのが、春には1勝しかできなかった4年生以下のチームが、決勝トーナメントに進出することになったことだ。また、息子は私の誕生日に途中から試合に出させてもらい、センターでスーパープレーをして、その試合のMVPに選ばれた。

正直、試合の戦力としては、まだまだ物足りなさはあるが、こうして少しずつでも成長した姿を見ることができるのは本当に幸せなことだ。

そのうえで、先ほど、PTAの副会長として指名があった。正直、そのようなキャラクターではないし、今まではこのような役柄は避けてきた方だ。
ただ、会長が野球チームに入っている子どもの父兄さんで、私を抜擢してくださったようだ。

いつもなら断るところであるが、不思議と今は自分に何ができるわけでもないが、お受けしたいという気持ちになっている。よく、「頼まれごとは試されごと」と言われる。私がこの言葉に出会ったのは、もう10年以上前になるだろうか。中村文昭さんの講演で出会った言葉である。そもそも、自分にできないことは頼まれない。だとすれば、自分にできることを一生懸命、相手の期待以上で返していく心意気でこの重責を引き受けたいと自然に思えた。

いずれにしても、環境の奴隷にならず、今自分ができることを一生懸命にやることで、また新しい道が拓かれるのだと、改めて実感することができた。

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