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ベースランニングのコツ

久しぶりにベースランニングの練習があり、最後にタイムを計った。すると、面白いことに、普段足が遅いと思われている子どもと足が速いと思われている子どものタイムがほぼ一緒だった。
このことが何を教えてくれるかというと、ベースランニングは「技術」だということだ。足が速い選手の方が確かに有利ではあるが、足に自信がなくても、技術でカバーできる。技術である以上、練習すれば上手くなる。

そこで今回は、ベースランニングのコツについてお話ししていこうと思う。これは基礎的なことなので、小学生のうちからしっかり意識して身に付けていこう。

まずベースというのは、21mごとに(小学校低学年の場合。高学年で23m、本来(中学生以上)は27.431m。)4つ置かれている。これをダイヤモンドと呼び、ダイヤモンド1週は「正方形」である。
ダイヤモンド一周は低学年の場合、21m×4で84mとなる。
ここで、大切なのは、84m直線で徒競走のように、よーいドン!で走るのとベースランニングというのは勝手が違うということだ。
なぜなら、真っすぐに84m走るのではなく、途中で急に曲がらないといけない箇所が3つもあるからだ。

そのため普通、ベースランニングは真っすぐ84m走るよりも遅くなる。
そのため、ここで戦略が必要となる。一番短い距離で走るには、下の図のように正方形で走ることだ。この場合、理論上距離は84mになる。(小学校低学年の場合。プロは109.72m。)野球のルール上、各ベースはどこか踏まなくてはいけないので、この距離(84m)をもっと短くすることはできない。

正方形で走ると最短距離になるが。。。

そこで、試しに全力疾走で、この走路で走ってみて欲しい。なぜ、全力疾走かというと、野球はスピードを競うスポーツだからだ。ボールよりも早くベースに触れればランナーの勝ちで得点になる。

実際に走ってみてどうだろうか。赤い線で示した通り、最短距離で走れた選手はいないはずだ。全力で走ると、赤い線を大きく外側にはみ出してしまうはずだ。これはベースランニングにおいて大きなロスを生み出してしまう。

では、最短距離で走るためにベースの手前でペースダウンし、赤い線の上で走るようにしたらいいのだろうか。結論からいうと、答えはNoだ。
ベースの手前でペースダウンして、再度ペースを上げて走るのは、あまりいい戦略とはいえなさそうだ。なぜなら、ペースを落とすとそこからまたペースアップするのにエネルギーが必要で、そこで大きなロスをしてしまう。さらに、ベースの手前でペースを落とすと、間一髪のプレーではアウトになりやすい。それであれば、たとえ最短ではなくても、全力で走り続けられるにはどうしたらいいだろうか、という戦略のほうが効果的なようだ。

つまり、84mよりも距離は多少伸びるかもしれないが、全力のスピードのまま走るためには、下の図のように、多少「ふくらみ」を付けて走ることだ。

多少円を描くようにベースに入るイメージ図
この円も慣れてきたら、なるべく小さくできるように練習していく

こうすることで、全力のスピードのままベースランニングすることができるようになるだろう。この円がどの角度かというのは、自分で練習して確かめてみて欲しい。スピードが落ちずに、さらになるべく小さい円を描くように走れるようにしていこう。

ポイントは、「ベースを踏んだらスピードが上がるイメージ」を持つとよい。たとえが古くて申し訳ないが、マリオカートでキノコをとると、スピードがグーンっ!と一時的に上がる、あのイメージだ。

ベースを踏んだ後に、外側に大きくはみ出してしまう場合には、ベースに入る角度が浅いので、もう少しふくらみをつけてベースに入るようにしよう。

いずれにしても、自分の全力で最短の角度を身体で覚えるように練習していこう。


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