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いよいよ最後の試合へ

6年生のお父さんから連絡があった。
「今週の土曜日、最後の試合になるかもしれないので、ちょっと見てもらえますか?」
6年生は最後にトーナメントで行われる大会をもって、小学生での公式戦はすべて終了してしまう。今年の6年生は4人しかいないので、どうしても下級生の力が必要になる。と言っても、5年生も少ないため、4年生まで含めてのことだ。小学生の時の1年間というのは、かなり差があり、どうしても6年生だけのチームと他の学年が混じってのチームとでは、差ができてしまい、今年のチームは実際のところ一勝もできていない。

そんな背景もあり、これまで一生懸命練習をしてきたご子息のために、最後に少しでも花を持たせてあげたい、という思いが私にも伝わってきて、快諾させていただいた。

夜にも関わらず、本当に弱音を吐かず、一生懸命練習をする姿をみて、私自身心が打たれた。お父さんも自分の息子がどうしたら打てるのか、真剣そのもので、子どももそのアドバイスに必死に食らいつく。そんなやりとりが夜遅くまで続き、最後はお父さんの方から、「これ以上やると、(疲れている状態で打っても)効果が出ないからやめよう」というまで続けられた。この時に、小学生の根性をみたような気がした。

この時点で修正することはあまり多くしない方がいいが、私からは3つお伝えさせていただいた。
1.タイミングの取り方
2.身体の重心の置くポイント
3.手の向き

1のタイミングは本当に大切だ。バッティングはタイミングがすべて、という人がいるくらい重要なことなので、打率を上げるためにも、タイミングの取り方を繰り返しお伝えした。

2の重心は、実は合気道からの教えから着想を得て、足の指の付け根に体重を意識することと、肩を上下に揺らしてリラックスすることをお伝えした。これは、整体の先生から、「この意識だけで打てるようになる」と言われ、これまで多くの選手もこれを意識することで打てるようになったそうなので、お伝えさせていただいた。

3の手の向きは、トンカチをたたく時の手首の向きを例に、インパクトの瞬間にボールに負けない力の入る手の向きをお伝えした。

いつの時代も変わらないものがある。歴史をひも解くと、やはり前向きな人が勝つし、積極的な人間が勝つ。
高校時代、3年になったときに、当時の監督が、「ここから夏までが(実力が)伸びるから、腐らず練習しよう」といった言葉を今でも覚えている。その言葉を聞いて、夏の大会の時も、調整せずに誰よりも練習した。

今、目の前で最後の試合に向け一生懸命に練習をしている子どもを見て、その理由が分かった気がした。まさに抵抗が掛かって、苦しいかもしれないけど、これを乗り越えればまた一段と上手くなるのがはっきりとわかる。だからこそ、試合が終わってピタッと練習を辞めてしまうともったいなく感じてしまうのだ。
このお子さんが、中学でも野球をやるかどうかは私にはわからない。もし、やるのであれば、試合の勝敗に関わらず、今のような練習を続けて欲しいと思った。

いずれにしても、今週末の試合で日々の練習の花が咲くことを願っている。

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