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考えることの大切さ

「考えない人生は、生きるに値しない」
これは、大哲学者のソクラテスの言葉だが、直球で胸に突き刺ささり、ドキッとさせられる言葉である。

それまで、考えるように意識はしていても、日々の生活に流されている自分にハッと気づくきっかけになる言葉である。そして、多くの人たちが思考停止しているからこそ、わざわざソクラテスがあえてドキッとする言葉で警鐘を鳴らしているとするならば、考えることを習慣化することで、自分を高めてくれるはずだ。

イチロー選手も現役時代、考えるということは非常にしんどいことだと認めつつも、「考える労力を惜しむと、前に進むことを止めてしまうことになります。」と常にどうしたら、自分を高められるのか、ということを考えていたようです。特に印象深かったのが、タッチアップの場面でライトを守るイチロー選手のところにフライが来たときに、そのままボールを捕って投げるのではなく、捕球の直前でわざとワンバウンド(ショートバウンド)で捕って、勢いをつけて投げたらどうなるのか、などと普通は考えないようなユニークな想像をされていたのを記憶している。実際に、そのプレーは実現していないが、そうやっていろいろ考えること自体、しんどいけどやめてはいけない、と当時のインタビューのなかで答えていた。

世の中にはいろんな「当たり前」が存在する。ただし、その当たり前も、国や文化や時代、もっというと人によっても違いがある。イチロー選手やできる人たちは、「当たり前」にだまされず、常に疑問を持つことから、考えることをしているのだと思う。
イチロー選手は現役時代、
強くなるより、しなやかになりたい
と言っていた。これは、身体的なこともそうだが、おそらく考え方、思考も含めてもことだったのではないか。

実は、考え続けても答えがみつからないことはある。そのうえで、答えが見つからなくても、「考え続けること自体」が大切なのではないかということを、イチロー選手から学んだ。答えなんて、見つからないかもしれないし、1つではないかもしれない。また、次々に時代とともに変化するかもしれない。それでもなお、考え続けることこそ、しんどいことだが意味があって、自分を成長させてくれるのではないだろうか。

つまり、「考えない人生は、生きるに値しない」とは、「考えること、それ自体が人生」だということを私たちに教えてくれる。

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