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2人のピッチャーと私

息子の野球チームのコーチとして、チームの指導にあたっていたところ、Cチーム(4年生以下でできたチーム)の監督さんから、「ピッチャーを見て欲しい」という打診があり、ひょんなことから3年生の2人のピッチャーのピッチングコーチとなった。

息子は、ピッチャーではないので、正直野球をはじめてまだ2ヶ月あまりの息子を早くレベルアップさせたい気持ちが強かったが、監督さんのチームの思いを伺い、自分で役に立てることがあれば、ということで引き受けることにした。4年生にはピッチャーがいるが、その4年生と3年生の差が大きく、来年に向けても3年生のピッチャーの育成がチームの課題となっていたのだ。

そこでここでは、私がこの3年生の2人のピッチャーと接する中で気付いたことを述べていきたいと思う。
ちなみに、2人とも他のチームのピッチャーと比べて、客観的に見ても、球は遅く、打者の手元で球が落ちてしまう。(いわゆる球がお辞儀している)このことを考えても、おそらく2人とも、現時点でピッチャー向きの球は投げられていない。
それでも、チーム内の他の選手と比べて、「相対的に、ストライクが比較的入る」、という理由でピッチャーをしている。いわばこの2人は、ピッチャーとしてはまだまだ課題だらけで、つまり、伸びしろがものすごくあるということだ。

2人のうち一人は、背が高くて身体が細い。身体のバランスがよく、柔軟性も比較的あるというのが、私の第一印象だ。
もう一人は、背が低いがずっしりしていて体幹がしっかりしている。身体の使い方はいいが、身体が硬いのが気になる、そんな第一印象を持った。

いわば、正反対の特徴を持った2人である。ただ面白いことに、2人ともサウスポーである。コントロールがいいのが、背の高いピッチャーだが、球がめちゃくちゃ落ちる。逆に、背の低いピッチャーは、若干スピードはあるが、コントロールにばらつきがある。

こうなると指導も大変だ。同じことをいう場面と、2人に全く逆のことを言うケースも出てくる。それでも2人に指導するうえで、共通した目的というのが、「ケガをしない」ということだ。これは決して甘やかせて練習をさせないというのではなく、ケガに強い選手になるためにどうしたらいいのか、ここを念頭に指導することを心掛けている。

特に、背の低い選手は、身体的にはまだ出来上がっていないが、筋肉や関節が比較的強く、しっかりしている。試しに前屈をさせてみると、身体が案の定硬い。つまり、小さい身体で周りの選手と比べて比較的強いボールを投げられるということは、筋肉や関節が安定しているからなのだが、逆に言えば硬くなっているともいえる。こうなると、今度は将来的なケガが心配である。

次回から、少しずつ彼らに私がアプローチしていった方法をお伝えできればと思う。何か少しでもヒントにしていただければ幸いである。


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