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上げた足の距離について

前回は、軸足とは逆の上げた足(左投手なら右足、右投手なら左足。いずれもグローブをはめている方の足)についてお話しした。具体的には、足の”着地場所”について、身体が開かないようにするトレーニングについても触れた。前回の記事はこちら↓

今回は、上げた足の続きで、具体的には「距離」、つまりステップ幅についてお話ししていきたいと思う。
早速だが、みなさんに質問だ。鉄砲を想像してみて欲しい。銃の長さが長いのと短いのだと、どちらが的に命中しやすいだろうか。

もちろん長い方だ。イメージしにくければ、お祭りなどで銃で景品を落とすゲームを想像してみて欲しい。必死になればなるほど、景品(的)に銃を近づけて撃つ人がいるだろう。つまり、銃身が長いと、それだけ的に近づくことになり、お祭りで自分から前のめりに的に近づけなくても、目標に当てやすくなる。

これと同じように、ピッチャーもバッターから近ければ近いほど有利になる。ただし、ピッチャープレートからバッターまでの距離というのは、ルールで決まっている。(正式には18.44m。小学3年のチームでは14m)
とすれば、このルールの距離は変えることはできないので、自分でなるべく近づけるよう工夫する必要がある

その工夫がこの「ステップ幅」である。ステップ幅が長ければ長いほど、バッターに近づくので、的屋の景品を落とすゲームではないが、ピッチャーにとって有利になる。もう少し具体的にいうと、バッターにとってみれば、近い距離のほうがもちろん打ちづらくなる。またピッチャーにとってみれば、長い拳銃と同じように、コントロールしやすくなる

では、このステップ幅だが長ければ長いほどいいことは確かだが、5mも10ⅿもステップすることは現実的ではないことも確かだ。どのくらいのステップがいいかというと、人によって身体的な特徴の違いもあるが、プロの投手で「6足から6足半」くらいが一つの目安と言われている。もちろん、前回話したように真っすぐに踏み出しての距離だ。

ただし、小学生のあなたが最初から6足ないし6足半のステップを踏むことは非常に難しいと思う。それには理由があり、まずプロの選手はマウンドから投げるが、そのマウンドは山になっていて傾斜があるため、ステップ幅が広がりやすい。小学生は学校などをグランドとして使用するため、マウンドも平らなケースが多い。その分は差し引かなければならない。加えて、小学生は身体がまだ完全にできていない。

以上のことを考慮すれば、小学生のあなたはまずは4足半を達成できるようにステップ幅を広げた状態で、しっかりバランスをとって投げられることを目標にしていきたい。そして、それがクリアできたら、徐々に歩幅を広げていく。いずれにしても、今のステップより相当意識しないと、ステップ幅を広げることは難しい。これまでの腕や手に頼った投げ方から、全身を使って投げる投げ方へ変えていく必要がある。

そして、これは一週間や一か月で習得できるものではないことも付け加えておこう。それを前提に、年単位で修正していく、そんな意識を持てば挫折も少なくなるだろう。その先には、今よりも楽に速いボールが投げられ、安定したコントールも手に入る、数段上のステージに行けるような、そんなパワフルなスキルとなるので、是非身に付けて欲しいと思う。

ステップ幅が長くなればなるほど、拳銃でいうところの銃身が長くなるイメージ
さらに、ボールを離す位置をなるべく前にして、いわゆる「球持ちをよく」すれば、
バッターにより近い距離から投げられる、そんなイメージを持って練習しよう


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