機能要件と非機能要件はなぜ分ける必要がある?開発に関係する?

機能要件と非機能要件を分ける主な理由は以下の通りです。

  1. 目的の明確化
    機能要件は「システムが何をするか」を定義し、非機能要件は「システムがどのように動作するか」を定義します。両者を分けることで、システムに求められる機能と品質を明確にできます。

  2. 優先順位付け
    一般的に機能要件は非機能要件よりも優先度が高くなります。両者を分けることで、開発の優先順位を決めやすくなります。

  3. 設計と開発の効率化
    機能要件と非機能要件では、設計や開発のアプローチが異なります。両者を分けることで、それぞれに適した設計手法や開発技術を選択でき、効率的に開発を進められます。

  4. テストの適切な計画
    機能要件はシステムの動作を、非機能要件はパフォーマンスや使用感など品質面をテストします。要件を分けることで、適切なテスト計画を立てられます。

  5. 評価基準の設定
    機能要件と非機能要件では、達成度の評価基準が異なります。両者を分けることで、それぞれの要件に適した評価基準を設定できます。

開発プロセス全般において、機能要件と非機能要件を分けることは重要です。要件定義の段階で両者を明確に分け、設計、開発、テスト、評価のそれぞれの局面で、機能面と品質面のバランスを適切に取りながら、効果的にシステム開発を進められるようにします。これにより、ユーザーの期待に応えられる高品質なシステムを効率的に開発することができるのです。


入出力とそれに関係ない部分で分けてる?

機能要件と非機能要件の分け方は、必ずしも入出力に関係する部分とそれ以外で分けているわけではありません。

機能要件は、システムが提供すべき機能や振る舞いを定義します。これには、入力に対してシステムが行うべき処理や、出力として提供すべき情報が含まれます。つまり、機能要件は入出力に関係する部分を含んでいます。

一方、非機能要件は、システムの品質属性や制約条件を定義します。これには、性能、信頼性、使用性、セキュリティ、互換性などが含まれ、必ずしも入出力に直接関係するとは限りません。

例えば、以下のような要件があります。

  • 機能要件:ユーザーがログインできること(入力と出力に関係)

  • 非機能要件:システムの応答時間が1秒以内であること(入出力に直接関係しない)

ただし、入出力に関係する要件の中にも、非機能要件に分類されるものがあります。

  • 非機能要件:出力されるレポートのフォーマットがPDFであること(出力に関係するが、機能というよりは品質に関する要件)

したがって、機能要件と非機能要件の分類は、入出力に関係するかどうかではなく、システムの機能や振る舞いを定義するか、品質属性や制約条件を定義するかによって決まると言えます。

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