DIYで防音室を作ってみた(8.ドア周り)

今回の防音室製作に際し、これまで完全DIYで防音室を完成されてきた多くの先人の方々のブログを参考に見てきましたが、どの方もドアの設計にはかなり苦労しているのがわかりました。

僕も相当な時間をかけて入念に調べたものの、ドアに関しては「このアイデアを採用しよう!」という画期的なものにはついに出会わず、けっこう悩みました。

ドア部分だけ、スチール製の堅牢な防音ドアユニットをまるっと購入する事も考えましたが、非常に高価だったのと、防音扉は数十キロと非常に重量があったりするので、その時点で「1人で組み立てられる防音室」というコンセプトからも外れかねない。
そんなリスクを勘案し、ゼロからアイデアを絞り出す方向に決意を固めました。

まず、ドアとドア枠の間には高断熱高気密住宅などにも使用されているパッキンを使用。

・日東電工 エプトシーラー 幅10mm、長さ5m (ホームセンターで購入)800円

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この製品は、どうやら機密性だけでなく遮音性にも優れているとのこと。

ドア枠の4辺全てに施工するわけですが、パッキンの仕様書を見ると、スポンジが
80%以上潰れる程度の圧力がかかった状態で初めて遮音性能を発揮するという
仕様でした(他のパッキンもだいたい似たような仕様の模様)。

つまり、戸閉時にドアと接触するドア枠の4辺に対して気密性パッキンが80%潰れるだけの十分な圧力が、しかもなるだけ均等にかかるようにドアを設計する必要があります。

ドアの板は軽量化のため、壁材と同様のもので検討。
(OSB合板1枚+遮音シート+ニードルフェルト+ジョイントマット)
しかし、そこには大きな問題がありました。

ドアを合板1枚で設計すると、ドアパッキン全体に均等に圧力を加えるには剛性が足らず、まるでブラスチックの下敷きが曲がるようにドアそのものが湾曲してしまい、ドアノブや蝶番などの固定箇所から距離が離れれば離れるほど、ドアを密閉する能力が低下し、音が漏れやすい構造になってしまう懸念がありました。

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そこで、逆転の発想。
ドアに力を加えるとドアが曲がってしまう状況なわけですが、むしろドアが曲がった状態になって初めてきっちり閉まるように、初めからドア枠をカーブさせて作ってしまおう!という設計を思いつきました。

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というわけで、ドア全体をしならせるために上下のドア枠を湾曲させて設計。
(中間部までは真っ直ぐ、そこからドアが曲がり始めて端部で最大6mmドアがしなる構造としました。)

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※ちなみにここで決めた「6mm」というたわみ代の値に関しては、何の数値的根拠もありません。
あくまで材料を触ったときの僕自身の感触と経験と勘だけで決めていますので、そこはご理解ください。

そして、ドアの先端側(ドアノブ側)のドアパッキンも一点荷重で全辺同時にきっちり押しつぶせるようにするために、ドア先端に縦方向に補強材(スチール製角型鋼管 20mm×20mm,肉厚t1.2)を追加して剛性を高めました。

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↑ドアの蝶番は2個で300円くらいの、ごく普通のオーソドックスなものを4つ使用。

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