冷え切った時代には、そう。麻婆だね。 イベント記事

6月の半ばから自粛明けということで少しずつイベントが入るようになってきた。

自分が店長になり、イベント管理に携わり始めた時期でもある。
その中でも気合いの入った昼からの営業が来た。

2週間近く前からの用意周到な告知。実は彼がすごいのは麻婆だけじゃない。
イベントバーのイベンターとしての振る舞いに間違いがないのだ。
正解というものはそもそも存在しないが、間違いというものは存在する。

告知を届けたい対象範囲の選定、タイミング、内容や実施の曜日など。

彼はそこを違わない。
しかも、無職でイベント全振りというわけでなく、無理せずここまでできる。曖昧にバイトして店長してるやつとも違う。うるせぇ。

イベントの教科書のような運営だ。

それに加えて、丁寧に築き上げた人間関係とその幅の広さ。
計画性だけではなく人間性がベースとなった人徳もある。
あと結婚も決めてます。完璧。おめでとうございます。

さらに本人の人柄とエピソードもちょっと面白い。
詳しくは彼のイベントで確認を。ちょっといい。ちょっとは。

バイト以外やることのない自分は朝から店にいてたたずんでいた。
虚空を見つめることn時間。

ついに食材を抱えたほ~り~さんがやってきた。
ほ~り~さんが麻婆を背負ってやってきた!

もうほ~り~さんも食材に見えて仕方ないが、グッと我慢して調理をお任せすることに。

もうすでに予約も入り、この時点で役割を果たして来ていた。かっこいい。
でも、彼はそこで終えることなくメガネと包丁を光らせ、食材をさばいていく。

フライパンに降り注ぐ香辛料が油に着地、瞬きの間にサイコロ状態で分離されていく豆腐たち。
バラバラの運命を辿り、存在して江古田にやってきた食材たちが気づいたら、一つの形になっていく。

麻婆という形に。

彼が作り上げるとドラの音が聞こえてくる気がする。さすがに言い過ぎた。
しかし、普段来ないお客さんなどがツイートにより来店してくださるなど、
改めて彼の実力を感じた。

これがトップイベンターの力…。

まぁ、でも、しばらく見てるとその光景にも飽きてきた。とっとと麻婆食わせろ。

心が通じたのか麻婆丼を出していただいた。
待っててよかった。途中で片栗粉を買いに行ってよかった。ついでの買い物で遅くなったけど。
とにかく今日この時のために虚空を見つめていたのだ。

出していただいた麻婆。相変わらず、うまそう。
さて、実食。

まず口に含むと辛さよりさわやかさと豆腐のまろやかさが来る。
まぁ豆腐がまろやかなことはないのだが、油と香辛料でそう感じる。
そして、とどめのさわやかさが花椒。なんというか中華ハーブという感じかとてもさわやかさが来る。
最後は後から来る辛さ。すべての華やかな味わいが通り過ぎた後に辛さがじわっと広がる。

まるで青龍刀で斬りつけられるがごとく。やっぱりそれは言い過ぎた。

しかし、本当においしい。飽きが来ないというか、食べてて独特の中華の癖で満足するというよりか
親しみやすくほどほどに刺激的でずっと食べていたくなるような、そんな。多分。

俺の舌よりも、おいしさはお客さんが証明してくれてた。
食べておいしいというのに社交辞令を感じなかった。主観的だろうと言われるかもしれないが、
それは現実にその場にいたからわかること。

自粛でずっと出られなくて、今日まで外食から遠ざかってた人も少なくなかった。
自分もまた5月に常連さんたちが支えてくれてはいたけれど、イベントらしく盛り上がったのは久しぶりに見た。
この喜びを生で伝えるのはテクノロジーではできないだろう。
それができるなら世界は平和になるんじゃなかろうかと思うほどの発明だ。

でも、現在、そんな発明は成されていない。
仮にその発明があったとしても、この人の喜びはこの瞬間にしかない。
これと同じ喜びは形として自粛が過ぎたとは言えど、まだ味わえていない。
きっとこれからも味わえない。

お客さんは夜も続いた。もちろん嬉しそうだったし、
中のほ~り~さんも大変そうだった。
俺は横でずっと見ていただけだった。
もう麻婆食べちゃったし、頑張ってほしい以外何もなかった。

あんまりぼーっとしてたら、酒の作り方勘違いして出してしまったけど、
まぁなんかよかったからよかったんじゃないかな。

途中で麻婆の作り方を教えてもらって、
俺は中途半端に目で盗んで、後日作った。

めっちゃうめぇ。
キャベツをこの世で一番うまく食べられる料理がもんじゃなら、豆腐を一番うまく食えるのは麻婆だ。
冷ややっこじゃない。ラー油かけた豆腐とかそんな誤魔化しじゃねぇ。麻婆だ。
辛さがストレートに来てうまいのはカレーでもねえ。麻婆だ。それ以外に選択肢はない。

この世の辛いものと辛くないものは麻婆かそうじゃないかで別れる。
辛いものは麻婆だけでいい。

これから先、特別いいことも書けそうにないので誇張表現はここまでにしておこう。

さて、残念ながら麻婆はもうmojaでやる予定はありません。今のところ。
どうしてもってんなら俺が出します。

…何?不安?怖い??殺される???
お前、俺を誰だと思っとんや。食品衛生責任者で店長だぞ。頭が高ぇ。

そんな頭を低くして来たくない人に朗報です。

8月24日(日)に麻婆ほ~り~をBar 三代目でやります!
彼のゴッドハンドは食材を輝かせ、痺れと辛さの向こう側へと誘ってくれることでしょう。
麻婆はおいしいし、ほ~り~さんは典型的善人だし、店長は可愛い、オーナーはすごい

店長

オーナー

いいお店でいい料理が出るので来店必須です。ぜひ。

こんなところでいいっすかね。

読んでいただき、ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。 ところでこの「さぽーと」って何ですかね?神が使う魔法かなんかですかね??良くわかりませんが、これ使う人は人間以上の徳がある人なんでしょうね。