超初心者の僕が、ソロキャンプデビューするまで ①
僕は子どものころからいろいろな本を夢中になって読んでいたけれど、なかでもロビンソン・クルーソーをはじめとする冒険記や、椎名誠の怪しい探検隊、沢木耕太郎の旅行記などは大好物だった。
必要最低限のミニマムな道具だけでたくましく生きていく登場人物たちの姿にロマンを感じていたんだろうと思う。
いや、違うかな。
もしかすると、厳しい家庭で育った僕は、誰の力も頼らずに自由に生きることへの憧れがあったのかもしれない。
だから、小・中学生のころは、小刀と鉈(なた)と釣竿とおにぎりだけを持って、祖父が所有する山に入り、ひとりで朝から晩までサバイバルごっこをしたりしていた。
まるで自分がロビンソン・クルーソーにでもなったような気分で。(笑)
そんな僕も御多分に漏れず、社会に出て世間の荒波に揉まれているうちに冒険心なんてすっかり薄れてしまい、家と会社を往復するだけの日々を過ごすようになった。
ところが、何年か前に「ソロキャンプ」という言葉を初めて目にしたとき、子どものころのあの気持ちが急に蘇ってきたんだよね。
とはいえ、当時はまだ3人の子どもも小さくて手がかかる状態だったので、ソロキャンプなんて夢のまた夢。
憧れを憧れのまま封印して、日々の生活に意識を戻した。
そしてあれから数年経った今、上の子は塾と部活で忙しく、下の2人の子も親と出かけるより友達と遊ぶほうを選ぶ年齢になった。
だから、ソロキャンプを始めようと思えばできないことはなかったんだけど、やはり初心者にはハードルが高くて、何から手をつけていいかもわからないまま踏み込めずにいた。
そんなとき僕は、偶然にもネット上でガチのキャンパーさんと知り合いになるという幸運に恵まれた。
彼は1年間に50泊近くソロキャンプをしている人なんだけど、先日、彼がキャンプをするのに合わせてバーベキューオフ会をしようということになり、招待してもらったのだ。
それが先月、10月半ばのこと。
当日、僕が現地に着いたときには既にテントが組み立てられていて、そのカラーとフォルムのカッコよさにシビレた。
今ならそれが「サーカスST DX」というテントだとわかるけれど、そのときはテントの名前なんて知る由もなく、ただその形と色に目を奪われたのだ。
そしてテントの中に入ると、むき出しの地面の上にベッドまで置いてあり、その周囲には荷物が整然とまとめられていた。
なんてワイルド! しかもカッコいい!
そして、そのテントの前で焚き火をしながらのバーベキュー。
もう、最高かよ。と。(笑)
そこからキャンプ沼へと至る道は、遠くなかった。
(次回へ続く)
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