江戸から伝わる伝統的な観葉植物|お祝いの贈り物にはオモトが一番!
1.はじめに
植物には人の心を癒す力があります。
植物は人間とは違い二酸化炭素を吸い、酸素を放出する呼吸をしています。そのために家の中にも植物を置くことによって、空気の浄化にも繋がります。
中国より古くから伝わる環境学として風水があります。
風水でも良いエネルギーを引き込み、邪気を払う役割をもっていることから、観葉植物を置くことは開運アクションとして定番になっています。
植物には数えきれない程の種類がありますが、古くから縁起のいい霊草として現代に伝わる観葉植物をご存知でしょうか?
これは、「まん、ねん、あお」と書いて「おもと」と呼びます。
「万年青」はユリ科の植物で、古くから開運アイテムとして親しまれてきました。細長い葉が特徴的でとても育てやすい植物です。
万年青にはどのような魅力が隠されているのでしょうか?
今回は伝統的な霊草、万年青の秘密についてご紹介します。
2.万年青の特徴
万年青の葉はスラッと細長く品種によっては葉の根元の部分が白いものや、葉のフチがクリーム色の品種もあります。
葉は一年中枯れることがなく、四季がある日本でも順応できるとても丈夫な多年草の観葉植物です。
(多年草…種まき後、花や実をつけるサイクルを2年以上繰り返す植物のこと)
日本では宮城県より南の地域では自生しており、中国や台湾、朝鮮半島南部にも分布しています。
草丈は品種にもよりますが、大きいもので30~60㎝ほどに成長し、4月~6月にはクリーム色をした棒状の花を咲かせ、その後、真っ赤な実を付けます。
根が太くとても丈夫な植物ですので、初心者でも育てやすく、縁起がいい開運アイテムとしてとても人気があります。
3.万年青の歴史
では、なぜ万年青は縁起のいい植物といわれるようになったのでしょうか?それはおよそ400年前、江戸時代のあるエピソードが始まりでした。
今からおよそ400年前、江戸時代初期から万年青は非常に縁起の良い植物として扱われていました。
1606年(慶長11年)、徳川幕府の象徴でもある江戸城の本丸御殿が完成し、家安公は江戸城に移る時、家臣の長島長兵衛より3種類の万年青を献上され、大変喜ばれ床の間に飾り大切にしていたそうです。
その後、およそ300年という長い期間、徳川家が栄え続けたことは、歴史の文献でよく知られています。
このようなエピソードから、引越し祝いに万年青を贈ることは縁起が良いといわれるようになりました。
万年青には複数の別名がありますが、その中の一つで縁起草をいう名称を持っていることからも、縁起の良い植物ということがわかります。
さらに元禄の時代(1688~1704年)には万年青を観賞する「葉芸」と呼ばれる文化がありました。
盛んに品種改良が行われ、多彩な葉の形状に人々は魅了されていきました。この時代の中で、比較的裕福だった旗本・僧侶・商人たちの趣味として万年青を観賞して楽しむ人たちが増えました。
また、享保の時代(1716~1736年)には全国で品評会が行われ、珍しい品種や万年青を引き立てるのにふさわしいきらびやかな鉢を用いて美しさを競いました。
さらに天保の時代(1830~1844年)には、万年青ブームは最盛期に達し、現代の貨幣価値で数千万円や1億円という大金でやり取りするほどの大人気となり、幕末には収集が付かなくなったために販売禁止令が出るほど加熱しました。
万年青の歴史は縁起物としてだけでなく、江戸の文化として親しまれて、現代に引き継がれてきたのです。
4.万年青は縁起物
さて、現代でも引越しに限らず、新築祝い、結婚祝い、長寿のお祝いなどでも縁起物として万年青を贈る風習が残っています。
日本人は大安や仏滅といったお日柄や気にかける方が多くいらっしゃいます。
引越しの日が吉日に合わせることができない時には、引越し前の吉日に万年青だけを転居先に持ち込むことで、吉日に引越ししたことになるといわれています。
また、邪気を祓う植物ともいわれ、風水では鬼門(北東)・裏鬼門(南西)に万年青を置くことで、悪い気の流れを防ぐといわれています。
エネルギーの出入り口である玄関に飾ると運が開け、庭に植えることで災難を防ぎ、家が何年にもわたり繁栄するといわれています。
また、緑のイキイキとした葉を年中保つ植物であり、寒さにも負けず冬を越し、可愛らしい赤い実を付けることから、子孫繁栄の象徴ともいわれています。
このように家安公が用いたことがきっかけで、現代でも開運アイテムとして、万年青は人気が高い植物なのです。
5.まとめ
いかがでしたか?万年青は強い生命力と美しい姿で、古くから親しまれてきた歴史がある植物です。
品種も1000種類を超え、葉の大きさや形、模様などさまざまな楽しみ方があります。
縁起の良い贈り物ですので、お祝いとしてプレゼントしてみてはいかがでしょうか。
花言葉:長寿・崇高な精神・母性の愛・相続・永遠の繁栄