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ドラマでも話題になったウロボロスにはこんな意味があった!


1.はじめに


この世界は循環することによって成り立っています。
地球上にある水は、固体(氷)、液体(水)、気体(水蒸気)と姿を変えて天と地を循環しています。

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私たちの肉体も、血液が隅々までいきわたり循環することで健康を保っています。お金は紙という物質ですが、エネルギーであるともいわれています。お金というエネルギーを使うことで経済が循環し、多くの方の生活が豊かになります。
何かが滞ってしまいますと、そこでは何らかの不調が起きてしまいます。
目の前に起きてしまった不運なできごとさえも、何らかの循環が滞ってしまっている状態だともいえるのです。
宇宙の空間も無限のエネルギーが循環しています。

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このエネルギーの循環が始まる前、つまり、宇宙の誕生であるとされているビッグバンは、なぜ起きたのでしょうか?
ビッグバンは137億年前に、地球上では再現できないほどの高密度・高温度の火の玉が大爆発を起こしたことで宇宙が始まったとされています(ビッグバン理論)。
宇宙の大イベントであるビッグバンの起因となるものは素粒子です。
この宇宙の構図を上手く描いたものとして「尾を飲み込む蛇、ウロボロス」があります。

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ウロボロスは自らの尾を飲み込み、円を描いています。
宇宙の循環、宇宙そのものを表現しているといわれているウロボロスにはどのような秘密が隠されているのでしょうか?
今回は宇宙創造の象徴、ウロボロスの環についてご紹介します。

2.ウロボロスの意味


では、ウロボロスの基本的な意味をご説明します。
蛇が自らの尾を噛んで飲み込み、円を描いている姿をウロボロスといいます。
蛇ではなく竜で表されていることもあります。
蛇の見た目は少し怖いと感じる方も多いかと思いますが、古くから神の使いとしてさまざまな歴史に登場し、神聖な生き物として扱われてきました。
また、他の生き物と比べ、長期間エサを食べなくても生きることができるために生命力の象徴とされ、生と死不老不死という意味も含まれています。

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また、基本的には円環を表していることから「循環する」という意味も持っています。

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そして、ウロボロスは始めも終わりもないことを表していることから、完全・永遠・不滅の象徴とされています。

3.ウロボロスと宇宙論


さて、ウロボロスは宇宙論でもよく使用されています。
円環を描いているウロボロスをこの世界に当てはめてみると、この世界とはどのように成り立っているのか理解することができます。
ウロボロスの図には、頭部から尾にかけてさまざまなスケールの物質が描かれています。
頭の部分は無限に広がる宇宙を表しており、尾の部分は物質界にある最小単位である素粒子を表しています。

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蛇の胴体部分で、ちょうど中心あたりに人間がいます。
人間を基準にするためにその大きさを1㎝として考えます。

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右に移動していきますと、自然界の大きな存在である山があります。
更に移動しますと、地球といった惑星・その惑星をまとめる太陽系、太陽系は天の川銀河のごく一部に存在しています。
そして、頭の部分は宇宙空間全体を表しています。

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では、人間より小さな世界を見ていきましょう。
人間の体内にある細胞、細胞の内部にあるDNA、更に細分化していきますと分子、原子、原子核、最終的には素粒子になります。

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このウロボロスで表されている最大の特徴は、宇宙というマクロの極限とミクロである素粒子の極限の部分が繋がっているところです。

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なぜ、この部分が繋がっているのでしょか?
それは宇宙の誕生、つまり宇宙とはどのように始まったかを考えた時、とても小さな存在から始まったのではないかということが考えられるからです。

4.宇宙の誕生


宇宙の始まり…その瞬間は物質というものは存在していなかったと考えられています。
そこには物質ではなく何らかのエネルギーが存在していたと考えられています。
「E=mc2乗」これは天才物理学者、アインシュタインが導き出した有名な公式、特殊相対性理論です。

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Eはエネルギー、mは質量、cは光の速さ、この場合は光速の二乗という式になっています。
この式は「ほんのわずかな物質にも膨大なエネルギーが秘められている」ことを意味しています。

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また、物質からエネルギーを引き出すことができ、エネルギーからも物質を生みだすことが可能だということを示しています。
つまり物質とはエネルギーであり、エネルギーとは物質であるということなのです。
エネルギーと物質は同じである。
そう説明されてもピンとこないかもしれません。
では、この公式の中で光の速さである「c2乗」の部分に注目して下さい。光とは波と粒、両方の性質を持っています。
波は波長と呼ばれ、粒はフォトンや光子とも呼ばれています。
(光の速度は1秒間に地球を7周半(30万㎞)進みます)
アインシュタインは、光の速度は真空中では一定の速度を保つという「光速度不変の原理」を解き明かすとことによって、エネルギーと質量を結び付けることができたのです。
光子はお互いにぶつかり合うことで電子と陽電子が生まれるのではないかと考えられています。
宇宙は未解明なエネルギーが膨大に存在しています。
宇宙が誕生する前には物質は存在せず、エネルギーだけが存在していたと考えられています。
そしてこのエネルギーは急速に膨張をして大爆発を起こします。
これが宇宙誕生の大イベント、ビッグバンと呼ばれるものです。

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何も無い状態の中にもエネルギーは存在し、そこから宇宙は誕生した。

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これはエネルギーから物質を生みだしたことに繋がります。
宇宙はミクロもマクロも同じエネルギーの存在であるということがいえます。

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それは、私たち人類も同じエネルギーの存在ということなのです。
ただ違うのは、同じものをどの視点から見ているかということに過ぎないのです。

5.まとめ


いかがでしたか?ウロボロスは古代ギリシャでは世界の完全性を表すシンボルとして描かれていました。

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また、錬金術の世界では真理の紋章として使われていました。
そして、世界中の神話の中にもさまざまな形でウロボロスは登場しています。
ウロボロスは宇宙そのものです。
この世界は循環することで成り立っているのです。

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