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書いても叶わないのは理由がある|心理学・脳科学の観点で書くと叶うを解説


1.はじめに


「書くと叶う」そのような言葉を聞いたことはありませんか?
アメリカの有名な大学で、このような調査がありました。
1979年から10年間にかけ、学生たちに目標を持っているかどうかを質問しました。
その中で「目標を持ち紙に書いている」と答えた学生が、全体の3%いることが分かりました。

さらに10年後、元学生について再調査したところ、目標を紙に書いていた3%の学生は、他の学生たちより、平均年収が約10倍多いという驚きの結果が判明したそうです。

夢や目標を達成させた元学生たちは、目標に対する意識を持ち続け、諦めずに努力をしてきた結果であることは容易に想像することができますが、それだけではなさそうです。
願望を達成させるには、「書く」という動作が大きく関わっているのではないのでしょうか。
近年、書くことで願いが叶いやすくなるということが、心理学や脳科学の分野でも明らかになってきています。
ただ書くだけで願いが叶う。
そのメカニズムとは、どのようなものなのでしょうか。
今回は、書くと叶う、願いが叶いやすくなる方法についてご紹介します。

2.書くという動作


人類はどんな時代でも「書く」という動作によって、ものごとを人に伝えたり、記憶や認識のために書きとめることを行ってきました。
ところが近年、PC(パソコン)やスマートフォンの普及によって、「書く」という動作はどんどん少なくなってきました。
自分自身の手を使って書いた文字と、美しくバランスがとれたパソコンなどの文字は、内容を認識するという点では同じ役割を果たしているといえますが、実際に書くことで願いが叶いやすいといわれるのはなぜでしょうか。

それは、脳内にある網様体賦活系もうようたいふかつけいという機能が働くからです。

網様体賦活系は脳幹にある脳機能で、脳科学ではRAS(Reticular Activating System)と呼ばれています。

3.RASの機能


脳は、まるでコンピュータのように毎秒、膨大な情報を処理しています。
五感で感じたすべての情報をそのまま受け取ってしまっては、脳はパンクしてしまいます。

そのようなトラブルを起こさないためにRASの機能があります。
RASは受け取った情報の中でも、自分の興味や関心のある情報を選択し、必要な情報だけを脳にインプットするフィルターのような働きをします。
この機能を有効に活用するには、書くという動作はとても重要になってきます。

自分の願望を頭の中に描いているだけでは、なかなか現実化することは難しいことです。

願望を現実化させるには、自分が何を望んでいるのか書くことによって可視化をし、脳に認識させるのです。

脳に認識させるということは深い意識、無意識の領域である潜在意識に願望を刷り込むことになります。
潜在意識で認識していることは、自分が望んでいることも、そうでないことも現実化をしてしまいます。
視覚から入る情報は脳に大きな影響を与えます。
このことからも書くという行為は願いを叶える近道だといえるのです。

4.プライミング効果(Priming effect)


さて、書くことによって願いが叶いやすいことを心理学の観点から、ご説明したいと思います。
みなさんはプライミング効果という言葉を聞いたことはないでしょうか。
プライミング効果とは、事前に受けた情報によって、その後の行動や感情が無意識に影響、または抑制される効果のことをいいます。

心理学のみならず、脳科学の分野やマーケティングの手法としてもよく用いられる用語です。
あらかじめ受けた情報が、後にどのような影響を与えるのか、具体的な例をあげてみましょう。

スイカ、イチゴ、ブドウ、バナナ、メロン…
美味しそうなフルーツの名前をいくつかあげてみました。
では、次の〇の中に文字を一つ入れて、単語を完成させてみて下さい。
「ミ〇ン」どうでしょうか?

おそらく、オレンジ色のあのフルーツを思い浮かべたのではないでしょうか?

ミシン、ミリン、ミケン(眉間)、ミコン(未婚)ミレン(未練)
このような単語が出てきてもよさそうな感じがしますが、事前にいくつかのフルーツの名前という情報を受け取っているために、無意識にイメージが膨らみ、脳が勝手に関連付けてしまうのです。

もう一つ例をあげてみましょう。
次の画像を見てください。

「ラ〇〇ン」〇の中に文字を入れて単語を完成させて下さい。
この画像を見てしまった後では、ラーメンという単語が真っ先に出てくるのではないでしょうか?
少し考えてみると他にもいくつかの単語が出てくるかと思いますが、(ライオン・雷神・ランタン・烙印・ラジコン・来年)ラーメンの画像という事前の情報によって、脳はラーメンという単語を導き出したのです。

また、ラーメンの画像を見て、ラーメンが食べたくなりラーメンを食べるとう行動に移してしまうこともプライミング効果によるものといえます。
広告による宣伝効果は、まさに脳のメカニズムを上手く利用したプライミング効果によるものといえます。
私たちの日常の中には、何らかの情報によって無意識に連想から関連付けをし、思考や行動に繋がっているのです。
分かりやすい例をあげてご説明しましたが、プライミング効果を上手く利用し、書くことによってあらかじめ願望という情報を脳に認識させることで、願いを成功に導くことが可能であるといえるのです。

5.願望の書き方


脳科学や心理学の観点でも、書くことによって願いが叶いやすくなることはお分かりいただけたかと思います。
では、願望はどのように書くことが効果的なのでしょうか?
願望を叶えるためには、さまざまな手法が語られています。

書き方に関しては情報が多すぎて、何が正解なのかよく分からなくなってしまいますよね。
ただ、一つだけ共通して言えることは
「どのような気持ちで願望を書いているのか?」という点になります。

願望の内容が問題なのではなく、「このように書かなくてはならない」という縛りがあったり「書くことが面倒くさい」「叶うはずがない」といった気持ちで書くことによって、潜在意識はそのような意識を現実化しようと働きます。

無理をしてウキウキ、ワクワクした気持ちになって書くことも無理があります。
一番良い方法は、「書く」ということを楽しみながら、自己流でも構わないので、「続ける」ということが大切なのです。
続けることは根気のいる作業ではありますが、潜在意識は繰り返しを好む性質を持っています

この性質を利用し、願望に対する執着を持たない程度に、繰り返し書き続けることが大切なのです。

また、文字にもエネルギーが宿っています。
パソコンやスマートフォンの文字でも可視化することにはなりますが、自らがペンを持ち、紙に描いた文字は比べ物にならないほどのエネルギーが宿っています。
メールではなく、自筆で書かれた手紙を受け取った時のことを思い出すと、そのエネルギーの違いがよく分かるのではないでしょうか。
書くという動作には、願望を叶えてしまうほどの強いエネルギーが宿っているのです。
まずは、「面白そう!」「書いてみたい!」という気持ちになることが大切なのではないかと思います。

6.まとめ


いかがでしたか?書くことで願いが叶うという話題はよく見かけます。
叶わないと断言される方で共通していることは、そもそも書くことをやらない。という方がほとんどだそうです。

有名なアスリートたちは、夢や目標を書き記すことで、願望を達成させたというエピソードをよく耳にします。
これらも書くことで願いを叶えたという証なのではないのでしょうか。

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