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【生友(いくとも)】布団から #シロクマ文芸部



『布団から』・・・の言葉を目にすると
一瞬で遠い日の記憶が蘇ります。

【得難い体験】という意味で
今となってはある意味、自慢話ですが。(笑)

厳寒地だった北海道の冬でのことです。

あれこれの事情はさておき、
小学生だった自分の居場所だった部屋には
暖房の設備がありませんでした。

なので、真っ白なメルヘンの吐息・・・☆

北海道の家の窓は当時から
寒気にそなえた二重窓が基本構造でしたが
自分の部屋の窓は二重ではありませんでした。

外気との温度差で寒冷地の家の窓の内側には
霜が張り付いたような結晶化した状況となります。

零下を大きく下回る冬の朝。
自分の部屋の窓だけには一切の変化は見られませんでした。
つまり、戸外と大差ない厳寒の一夜を過ごした証です。(笑)


☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ 


消灯時間が午後7時と決められていたので、
寝たフリをしながら・・・

実際に寝るには間があるので
ドアの隙間から漏れる灯りで読書したり
聴こえてくるテレビの音声を楽しんだり・・・

中々に
工夫に満ちた時間を楽しんでいたと思います。


さて、本格的に眠る時間となりました。
先にも言いましたが暖房がありませんので寒いです。
外と変わらぬ厳寒部屋です。

凍えます。(笑)


生き延びる防具だった布団を今度は頭から被って・・・
手足も寒いので
横向きの茹で上がったエビさんのポーズで就寝体勢。


あれこれ妄想しつつ
意識の落ちるのを待って夢の世界に・・・☆


☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ 


☆☆朝です!!☆☆


起きなければなりませんが、実際に起き上がる決意をするには
それなりのルーティングが必要です。

今日も元気に生きる決心の後、布団に潜った頭上の外界に
そっと指を出します。状況を確かめつつ・・・

布団から

一気に頭を出します。刹那、パリパリッ!!と氷の割れる音☆

頭部の隙間から漏れた自分の息が一晩の間に積み重なって
立派な薄氷が頭部一帯に張り巡らされているのです。

当然、強行突破で起床!! 

氷のドアから

 おはようございます!!


頭の周りの氷を払います。(笑)

☆☆☆☆☆


自分が子供だった頃の
真冬の朝の笑えるような・・・否、
今となっては【得難い体験】として
『布団から』・・・で、イメージした実体験の
自慢話をさせて頂きました。

お粗末様でした。


【布団】


*布団ほど有り難いものはありません!!(実感!笑)


*こちらに参加させていただきました。

#シロクマ文芸部


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