『 空から大地に 』#青ブラ文学部 ・ 祈りの雨
＊空から大地に
雨が降り続いている。
例えば 何かの理由で人が祈った想いの粒が落ちてゆくように
この一粒の水滴にさえ悠久の過去からの記憶を循環させて
かつて大地に生きていた 嘯く人間の涙のように落ちて流れて･･･
まるで泣いているかのように。
生命の痕跡さえ途絶えて久しい荒れ果てた大地に振る雨には
不思議と命の記憶が刻まれていて、まるで文明を誇った未開の人間の
無数の驕りの思いや哀しみまでも慈しむようにただ降り続く。
過ぎた時の記憶は水の魂のように姿を変えて大地から上昇し空を覆い
今は見上げる命の欠片もない故郷の大地へと循環して降りる･･･
水に刻まれた小さな意識のひとつには希望があって
まるで未来を夢見るように輝いている小さな粒のままに
落ちて流れて集まって･･･
大地に伝えた想いが叶ったかのように
ある日にできた小さな《塊》がまるで植物の種のように
変身して 発芽して･･･
感じるままに背を伸ばして 希望の蕾をつける。
今はただの蕾だけれど
そこには小さな《こころ》も芽生えて。
時の先から届く夢には 絶望もありそうだけど
いつかの 誰かの祈りの雨のように･･･
寄り添う見知らぬ《願い》たちと一緒に
今は ただ
優しい雨に身を任せて･･････
【了】
＊ちょっとだけ Poem っぽい雰囲気で参加します。😊
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