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『チョースケ記』【バトンリレー企画参加】#心に残るあのエピソードをあなたへ



それは突然に訪れました。

noteのお友達のヒスイさんからの
「お願いがあります」の後に続いた魔性の言葉は
「バトンをまわしても大丈夫・・??」だった! 
いや、でした!!

自分にもこんなことがあるのだろうか?と、暫しボ~ツとしつつ
ありがとう!! とばかりに快諾しました。(そうだったろうか?w)
引き受けたからには気持ちよく実行せねばなりません。

そもそも企画主様のチェーンナーさんとは面識もなければ言葉を
交わしたこともありません。 そんな私でいいのでしょうか?
人々が ≪ たむろ ≫ する場を避けるように生きてきた私にとって
そんな晴れ舞台が許されるのでしょうか?(笑)

勝手なイメージですが、皆さんの書かれる
心に残るあのエピソードをあなたへ』の世界は、きつと優しさに
溢れていて・・幸せな読後感に満たされるような気がします。 
ならばと・・ひねくれ者の私は『哀しいエピソード』を書いてやる!! 
いや、書かせていただこうかと不意に思ったのです。

世代の時代のせいか若い頃には ≪ ハッピーエンド ≫ が物足らなくて
≪ 哀しい結末 ≫ を好物としたりもしましたが、今は年齢も重ねて
ハッピーエンドでなければ拒否感さえ覚えます。

私はどちらかというと・・人間よりも動物が好きなのですが(笑)
かつて共に暮らした動物たちのことを書こうかと思いました。
もちろん楽しい出来事でしたら躊躇なくいくらでも書けるのでしょうが、
哀しい出来事は追体験したくないばかりに自分の中では ≪ タブー ≫ の
世界でした。漫画を描いていたこともあって漫画化を勧められた
こともあったのですが当然、拒否してきました。
哀しいことなんか書きたくない!!
それが本心でした。

noteでも幾つか動物とのエピソードを書いた事はありますが、
全て楽しかったことばかりです。 そんな私が・・哀しい話を書くだと?! いや、書かせていただくですと?(笑)

ヒスイさんからのバトンという悪魔のささやき・・否、≪ 天使のささやき ≫ が私の閉ざしていた心の扉を開け放つきっかけとなりました。

どうなることでしょうか。 

それでは 始めてみたいと思います。

*****

昭和に生まれて育った私は、それなりの年齢を重ねましたが
家族として共に暮らした動物たちのことを決して忘れることは
できません。家族ではなく関わった生き物たちもいっぱいいます。
鳥。犬。猫・・・彼らのことを紹介するようにいちいち書いていたら
永遠に終わりそうにないので・・・
今回は、『チョースケ』の話に限定することにします。

彼との出会いは もうずいぶん昔になります。
彼が天国に召されてからも すでに昔といえるほどの時間が過ぎましたが
私が召された後には再会する予定ですので、懐古ではなく、一時的に姿を
認識できていないだけの関係です。(笑)

当時の家族だった柴犬のチビ(♀)と紀州犬の太郎(♂)を両親とする
五頭の紀柴犬(勝手にそう呼んでます)の最初に誕生した長男だった
こともあり『チョースケ』と安直に名付けられました。

五頭の内、三頭は名残惜しみつつ里子に出され・・・
チョースケと、長女の『デビ』が家族に加わりました。

ちなみに窓の近くの上部で元気に「ピーーチク ♪」唄っているのは
街中で何故かいきなり私に降りてきたセキセイインコの『ピー太』です。
孤独は可哀そうと つがいになった『ピーコ』も一緒です。
やがて卵から孵った雛たちも次々に歌声をあげます・・・・☆

家の中で暮らしていた犬たちですが、それぞれに性格も違い相性も
あります。仔犬の成長と共にそれは顕著に表れ、オス同士・メス同士が
敵対するようになり、家の中で分断されたそれぞれの領地で暮らすように
なりました。(対面したら大変なことになります!・汗)
洋犬とは違う、日本犬の特性のような気もします。

さて、今回の主人公『チョースケ』です。

彼の見た目は日本犬そのもので、躰も不思議な色合いで美しく感じます。
性格は真面目そのものの一本気で、同居のデビもそれを認めていて・・・
例えば ≪ 魚肉ソーセージ ≫ が大好物で、小さ目のやつをそれぞれに与えると
デビはすぐに食べてしまうのですが(自分の口で開けます)、チョースケは
時々それを「守るべき宝物」として傍に保持しつつ、近づくデビを威嚇しつつ守り続けます。 そして、半日守り続けた後に・・・幸せそうに自分で袋を
開けて、舐めたように綺麗に食べきります。

毎日の犬の散歩は最初、自転車を利用してましたが、やがて車高も手頃な『ホンダ・ゴリラ』(小型バイク)に切り替わりました。
平均スピードは時速24kmくらい。そこそこの速さです。
もちろんチョースケとデビも一緒です。

日々によって散歩のコースも変わりますが、それなりの距離を走って、、
(もちろん休憩は入れてます。笑) 最後の仕上げは・・
神社の前にある下り坂での全力疾走です。
ここではチョースケもデビも時速50㎞くらいで走ります☆

そんな時のチョースケの走りを見ながら、その走りの凄さと美しさに
感動したことがあります。 もちろんデビの走りも美しいのですが、
チョースケの全力疾走の時の一歩の幅が、他の犬とはまるで違うのです!
他の犬が飛ぶように二歩のところを、さらに飛ぶように一歩で走っていました!! (こんなにも飛ぶように美しく走る犬が他にいるだろうか?!)
などと親バカにも思ったものです。(笑)

あの、神々しさまで感じるチョースケの走りは
私の記憶の中に焼き付いた宝物です。

左手で二頭のリードを微妙に操りながら、時にはクラッチを使わないで
回転数で合わせるバイクの変速も覚えて、私もなかなかの名人ぶり。(笑)
楽しい日々でした。
(当時の交通規制のそれなりに緩かった時代限定です。)

ちなみに太郎の散歩はバイク。 太郎とチビが一緒の時には自転車でした。
雨だろうが風だろうが台風で看板が飛び交う雷雨だろうが
散歩は必須日課でした。

さて、チョースケです!(笑)

彼のエピソードは数々あるのですが全てを書いていく訳にもいきません。
最初に驚いた出来事を書きます。チョースケがまだ仔犬の頃の話です。

私の実家は北海道にあるのですが、旅行も兼ねて約10日間、家を離れることにしました。お世話になっている動物病院の先生に犬たちを預けることに。

さて、10日も留守にしていたのでさすがに心配です。
ハイエース・スーパーロングバンの愛車に乗って迎えに・・・!

動物病院に着いてまだ車の外に出る前から、先生の話す声で気付いたのか
全員が声をあげます。チョースケの潰れた声の絶叫が聴こえてきました。
彼が車に乗り込んで、私にしがみつく様に震えながら潰れた声をあげながら口を舐めてきます!! 身体は瘦せ細って・・・まるで骨と皮のようでした。。

預けた犬が四頭。 チョースケ以外の犬はご飯も食べたそうなのですが
チョースケだけは一食もしなかったそうです。
ただ待ち続けて・・・哀しそうに吠え声をあげていたそうです。。
これからは おいそれと家を空けられないと思いました!!

彼らとの楽しい日々や数々のエピソードは全て割愛します。

年月は過ぎ去り、最初に糖尿を患っていた柴犬のチビは11歳で亡くなり、
太郎は17歳で亡くなりました。

彼らとは一歳違いのチョースケとデビも老犬となり、デビは ほぼ寝たきりに・・・ 神経まで患っていたチョースケは、自分でまっすぐに歩けなくなっていました。 
家の周りを一部分がフェンスで囲われたタタキ(コンクリート)にしていましたので、散歩に行かなくともそこで用足しはできていたのですが、すでに
チョースケは一人では歩けません。 それでも一緒に、彼の身体の二点を支えると歩けることを発見し、いつも散歩するように付き合っていました。
こんな躰になったって、誇り高きチョ-スケの立派な散歩です!!

不自然な態勢での往復でしたから、汗だくになった私の体力も尽きかけます(笑) それでもおしっこや〇んこが出たら幸せな気持ちになります。
そんな日々が続いていました。

そのうち、チョースケがほぼ1時間ごとに発作を起こすようになりました。
全身痙攣で口までガクガクしますから、舌を噛まないように ≪ サルグツワ ≫を噛ませないといけません。 折れるかと思うほどに激しく反転する
チョースケの躰を発作が治まるまで押さえ続けなければなりません。

私も寝ている場合ではなくなりました。
仕事(漫画)も忙しい時期で、作業とチョースケとの往復でした。

太郎が17歳で亡くなってからちょうど一年後の夏でした。
静かに眠っていたデビは、静かなままに亡くなりました。

私は仕事の締め切りも控えていたので動けず、焼き場への搬送でデビを
迎えに来てくれた方との同乗を妻に頼みました。

私はチョースケと同じ部屋で仕事をしていました。
チョースケの発作も今は落ち着いています。
思えば、チョースケとデビはいつもいつも一緒でした。。

(あぁ、、今頃、デビが焼かれる頃だな・・・?)

そう思った時です。 自分では立ち上がることも出来なかったチョースケが
突然、絶叫と共に跳ね起きて、いつもデビが寝ていた場所に向かって走りました!!??   バタッ!!と倒れます・・・。

(チョースケは デビが焼かれるのを知ったのだと思いました! 
最後の力を振り絞ったのだと思いました!!)

そして、それからちょうど一週間後に・・デビの後を追うように
チョースケも息を引き取りました。 

その晩は、チョースケと添い寝しながら、、お別れしました。

そんなチョースケでしたから、いっかきっと逢えると思ってます。

すごく個人的なお話に、長々とお付き合いくださり
ありがとうございました。

*******

*ヒスイさんからお声が掛らなかったら、たぶん書くことも
なかったエピソードでした。 
天使のお声・・ありがとうございました✨✨

〇 ということで、ヒスイさんから受けた
私からのバトンはこの方にまわしたいと思います。

カナダに在住されて50年になるお方です。かつては東京、講談社にての若き編集者さんでした。(当時、若者同士でたぶん、お会いしたことがあった筈です)

〇さらに・・・この方もリレーバトンを受け取ってくれました。私と同じ北海道出身。 今はニュージーランドに在住してらしてnoteに漫画も投稿している女性です。にまめさんです✨
https://note.com/nimame_dekita/n/n41aa6d8a2be5?magazine_key=meead5d2ac27c
(何度挑戦しても・・記事の画像が呼び込めません。💦ごめんなさい!!)


#心に残るあのエピソードをあなたへ

〇たなかよしあきさんに受け取ってもらった記事は
大変、貴重なエピソードとなりました。
若い人たちにも読んでいただきたいですね・・・☆

〇にまめさんにもバトンを受け取っていただけました☆
とても素敵なエピソードです。

*******


〇 ここには私と動物たちとの出来事が
あれこれ入ってます。もちろん愛犬たちの話も。
お暇つぶしにでもどうぞ。。


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