『蜘蛛と雲と錦鯉』(単純明快編)#毎週ショートショートnote
お題は【命乞いする蜘蛛】。裏お題【錦鯉釣る雲】。
単純明快・・・の、ヒネリ皆無作で失礼します。😅
*とある春の昼下がりに
「命が下った!」
「へっ? どなたから?」
「おまえなど拝むことも許されぬ高貴なお方からだ。」
「それはまた恩寵な・・・で、どんな命が?」
「【命乞いする蜘蛛】となり【錦鯉釣る雲】となれ!」
「・・・失礼します!」
「ま、待て! ご褒美があるやもしれんぞ?!」
「・・・どんな?」
「高貴なお方のご尊顔を拝めるかも?」
「オイラに下った命じゃないし別に望まないけど・・・」
「だったら協力せい!どうすればいいと思う?」
「命乞い・・・なんだっけ?」
「【命乞いする蜘蛛】となり【錦鯉釣る雲】となれ・・・だ。」
「簡単じゃん。命乞いする蜘蛛になって錦鯉釣る雲になれば?」
「ど、どうやって?」
「ほら、蜘蛛にしてあげるから命乞いして!」
相対した男は一瞬で蜘蛛になった。悲鳴をあげる風情のまま
命乞いしているようにも見えた。
「うん。蜘蛛の形のまま雲にしてあげるから待ってね。」
蜘蛛になった男は空に昇り雲となり釣り糸を垂れた・・・
錦鯉が天に昇っていった。
【完】
(410字)
めでたしめでたし。
*このお話はフィクションですのでオイラって何者?とか蜘蛛や雲にされた男は誰?とか一切の疑問の余地はありません。(笑)😅
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