鋭利なチクワ ＆ バールのようなチワワ #毎週ショートショートnote
お題【鋭利なチクワ】裏お題【バールのようなチワワ】
2024.8.17夜までにだいたい410字･･･
＊恥ずかしながら表裏合わせて・・参加させていただきます。😊
＊最期の闘いの前に
【核】による死が大地を覆い、歴史の伝承に聞く極寒の《氷河期》が訪れてから永劫の時が流れたのだという。
生き残った《人類》は二つの種族に別れ、種族の存続を賭して闘いの日々に明け暮れている。そしていよいよ最終決戦を迎えようとしていた。
一方は《ヒト》の姿態を踏襲する生き残りの戦士、約100名。
もう一方は核による変異によって獣化した姿態を持つ約1000名。
生存の糧である食料は、極寒の海に生きる魚類のみである。
《獣》の一団の武器は死んだ仲間の骨を加工したものであり、それで十分だった。《ヒト》の武器は最後の食料を兼ねた、氷結した【鋭利なチクワ】のみで、統率するのは【バールのようなチワワ】と呼ばれる英雄である。
闘いの結果は火を見るより明らかだったが、戦士の心は誇りに満ちていた。
100名にも満たない敗北目前の《ヒト》戦士の位置から炎が立ち上った。
闘いを終えて遺した《ヒト》の武器の無数の【鋭利なチクワ】の激しいまでの香しい芳香が･･･風に乗って飢えた《獣》たちの鼻腔を捉え彼らの戦意を喪失した！
《獣》たちの魂を奪うその羨望の視線の先には･･･
焚火にかざした【鋭利なチクワ】を旨そうに食べている《ヒト》戦士たちの姿があった。
この上なく幸せの表情に満ちた彼らの姿は、まるで･･･
勝利を手にしたかのような笑顔に満ちていた。
【おしまい】
（563字）
＊このお話はフィクションです。
失礼しました！ 🍦( 〃・ ・〃 )／～～✨
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？