霧の朝② #シロクマ文芸部
「霧の朝」から始まる小説・詩歌・エッセイなど
締切は11/17(日)23:59。
*参加させていただきます。 よろしくお願いします。😊
*霧の朝
霧の朝を迎えた。
血の通う生命に満ちていた世界が途切れてからどれほどの時が
過ぎたのだろう・・・あの瞬間から時間さえもが混沌の闇に落ちた。
今も朝霧の靄の中で彷徨う魂の欠片が迷子のままだ。
白いベールの世界で、たまたま行き交う孤独な迷子が声を放つ・・・
天使の声に錯覚して応えるものの一瞬の妄想を自覚する。
水の微粒子に紡がれた無数の記憶が飛び交う白い世界には
形を伴わないかつて心だった想いの微粒子も彷徨うままに漂う・・・
それでも大地には命の営みの自然の風景が残されていて
強弱の風の流れが自由を謳歌するように無垢の景色に寄り添う。
そんな変哲ない景色の中にも 時おり・・・
想いに遺されていた記憶を再現するように顕在化する現象もあって
白い世界に彩りを添える。
例えば・・・動物たちが楽しそうに走り回っていたり
神輿を担ぐお祭り集団がいたり
輪になって遊ぶ子供たちがいたり・・・
「どこから きたの?」
「さぁ・・・?」
「どこに いくの?」
「さぁ?」
「いっしょに あそぼ?」
「うん!」
今日も霧の朝の風景のなかで
変哲ない一日がはじまる・・・
【了】
〇おまけ ↓