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【 最後の日に 】#シロクマ文芸部

「最後の日」というお題に・・・
久々に《終末テーマ》のSFでも書こうか、、と思っていたのですが
同じテーマで書かれた方のコメント欄に、つい・・・

「一緒に暮らしていた猫(数匹)・・・の話ですが、いつも自由に外に
出かけていました。ある日、ふいに《いなくなる?!》予感に
駆られます・・・そんなことがあって、何事もなかった日常のある日に
予感が正しかったことを知ります。  そんなことがありました。。😅」

などと書いてしまい、自分の書いた言葉に囚われてしまいました。
元来、特に動物の哀しい描写は苦手な性分なので・・・
ドキュメントや映画でさえも避ける傾向にあります。
ましてや自分のことで関わった動物たちとの関係となると
楽しかった宝物のような出来事だけを書きたい気持ちになります。

だから・・・

「最後の日」のような悲しいテーマは避けたかったのですが
思い切って要点だけをサラリと書いてみようかと思いました。

では、始めます。

☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ 


今から12年前の出来事から・・・

私の家は東京都に隣接する埼玉にあって、池袋にも急行で30分で行ける
距離にあるのですが、南側の窓の外は二軒の農家さんの広大な栗畑が
あって、鳥たちも憩う田舎の風情そのものです。

そんな南側に面した窓の外に、三匹の子猫を連れた家族が来ました。
お気に入りの場所だったのか+毎日のように来て、寛いでいます。
その、あまりの可愛さから・・・次第に付き合いも密になり、親猫が姿を
見かけなくなってから・・・ついに、子猫3匹の居場所は家の中となりました。

そして・・・親を失った子猫がもう1匹。
3匹の子猫たちに混ざって、一緒に授乳していた子も仲間となりました。
3匹の兄妹はメインクーンが入った感じで、やや長毛。
「あんちゃん(白・♂)」「トラ(茶・♂)」「ヒナ(白・♀)」と
名前も付きました。もう1匹は短毛の茶トラ・雄で、外から来たので
安直に「ソトラ」・・・😅

彼らが・・・4頭の犬たちを失った我が家の新しい家族となりました。
新鮮な楽しい日々の始まりです。
栗畑とはいえ自然に恵まれた場所は当然、猫ちゃんたちの遊び場とも
なって楽しそうで幸せな光景が続く日々でした・・・☆

☆☆☆

「最後の日」のテーマに描写を絞らねばなりません。 約1年後・・・
ヒナが子猫を4匹産んで、1匹(メル。白・♀)を残し、兄妹たちは無事、
里子にもらわれていきました。。

〇あんちゃん
コメントに描いた《予感》にも関わることですが、不安を感じながら
暫く過ぎた・・・外帰りの夏のある日。
おやつのシシャモを食べた後に、お気に入りの庭の茂みで就寝・・・

翌日。眠ったままの・あんちゃんと対面することになりました。

お墓は、お気に入りのその場所に決めました。

☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ 


〇ヒナ
美人だったヒナは外が大好きで、いつも見える範囲の場所で遊んだり、
太い木の又を寝床にして昼寝したりしていました。動きも速く、時々
スズメを咥えたりもしましたが、慌てて阻止すると・・・スズメは
何事もなかったように飛び立ちます☆
彼女の元気な姿は、日々の私の元気の素でもありました。

5歳になつた12月。
時々、朝帰りするようになりました。
どこかで食事したように・・・いつものご飯も食べなかったり。
目的を持って出かけるような雰囲気・・・?

どこかしら《いなくなる》予感が走りました。

そして、子供のメルと抱き合って寝ていた雨の夜にいつものように
お出かけしたのが最後となりました。
(ヒナに関しては、どなたかに拘束された気もします。幸せに生きている
ことをただ・・・祈ってます!!)

☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆


〇ソトラ
7歳になったある日。
唐突に《いなくなる?!》確信にも似た予感が走りました☆
それでも何事もない日々が続いていました。

その日の朝。・・・中に入らずに濡れ縁で寝ていました。
お昼ごろにエアコンの室外機の上で横になってます・・・
撫でてあげました。。
それが・・・ソトラとの最後の触れ合いでした。

☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆


〇トラ
強いネコでした。
喧嘩で誰にも負けたことはなく、いわゆる地域の《ボス猫》でした。
それでも家では優しいネコで、仕事をしている自分の横の座椅子の上が
定位置で、お出かけの雄姿と共にその姿は・・・
私の日々の幸せ安定剤でした。

8歳の頃。
やはり予感のような不安を感じ始めます。
毎日、その思いを払拭するように触れ合ってましたが・・・

やはり、とある雨の夜に外出したままとなりました。
かつて、たぶん車に撥ねるられたかと思うような重症でも帰ってきた
強い猫です。毎日待ち続けましたが、、ついに帰ることもなく
とある情報から、交通事故の猫のことを知り、、それがトラと符合
していました。

実は、トラの帰りを待っていた夜のことでした。
気配を感じて濡れ縁を見ると・・・茶トラの猫がいました!
思わず「トラ?!」と声を掛けました!!

その時のその猫の行動は、まさにトラそのものだったのです?!

でも・・・その猫は、時々見かけたことのある別の猫でした。
それでも今まで濡れ縁にまで来ることはなかったのです?!

今でも・・・トラの《魂》が、その猫ちゃんの体を借りて帰ってきたのだと
信じています!

(その猫には《コトラ》と名付けました。たぶんどこかの飼い猫かと
思うのですが、今でも時々ご飯を求めに来ています ♪ )


【了】



ヒナ・ちょうなん・トラ・ソトラ
ヒナ・メル・ヒナ・メル・トラ
ちょうなん・トラ・ヒナ・メル

コトラ



☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆


今、家族としてヒナの子《メル(12歳)》がいます。
産まれたときからの完全な家猫ですので、外出の経験もありません。
(それなりに外の雰囲気は感じていると思います。笑)


「最後の日」がテーマだったとはいえ、悲しいお話にお付き合いくださり
ありがとうございました。 

*大晦日にはそぐわないお話となってしまいました。
申し訳ありません!!
本当は彼らとの楽しいエピソードをいっぱい書きたかったです。(笑)

どうか皆様、よいお年をお迎えください☆



*投稿しようか迷いましたが・・・参加させていただきました☆

「最後の日」から始まる小説・詩歌・エッセイ
締切は12/31(日)23:59

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