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詰将棋の必読文献 (2020年版)

詰将棋の豊かな世界の入り口で「ちょっと興味あるけど、どこから始めたら良いのかな」という人のためのガイドです。


月刊詰将棋パラダイス

どんな分野でも、最初は専門誌を1年間読んでみるというのが入門の鉄則ではないでしょうか。この60年以上、日本で詰将棋の専門誌といえばこれです。「詰将棋パラダイス」。

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通称「詰パラ」。単に「パラ」といってもOKです。

詰将棋パラノイアの略だと思ってた人はいないでしょうね。確かにそういう人も何人かはいるかもしれませんが。

530-0043 大阪市北区天満4-15-7 豊岡ビル2F
月刊 詰将棋パラダイス 編集部
振替口座:00930-8-51289
加入者名:詰将棋パラダイス

郵便振替で年会費8400円か半年分4200円を送れば毎月郵便で送ってくれます。

詰パラは郵送による直接販売が中心なのです。1冊だけ読んでみたいという場合は700円。

書店で買えるところは全国で10カ所。上のサイトに書いてあります。

盤上のパラダイス 若島正

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若島正 三一書房 1988.12.15

詰将棋の世界をこれだけ詳しく、そして読んで楽しく書いた文献を筆者は他に知りません。

表紙は詰パラ創業者である鶴田諸兄と第2代編集長の柳原裕司でしょうか。(現在の詰パラ編集長は第3代の水上仁)

「必読文献といっても、こんなに古い本、入手できないのではないか」と思われるかもしれません。労働争議で有名になった三一書房の本だし。

たしかに、amazonマーケットプレイスだとこんな価格です。

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アカシア書店でも5000円(!)。この価格ではさすがにお薦めできません。

実は労働争議の際に若島さんが在庫を200冊買い取って、自宅に保管していたのですが、昨日(8/22)すべて売切れてしまいました。

若島さんは文庫本化を模索するといっていますので、それまでお待ちください。出版社の編集の方は是非実現を検討してください。

詰むや詰まざるや(正・続)門脇芳雄

上の記事は、とにかく早く買わないと売切れてしまうよという本を選びました。なのでこの本は平凡社を信用していれなかったのですが、必読文献といって良い2冊です。

詰将棋の歴史は400年あります。歴史が始まって150年で奇跡的な水準の作品集が生まれます。三代伊藤宗看の「将棋無双」と伊藤看寿の「将棋図巧」です。(これらの書名は後世の人が区別するために付けた通称で正式な名称ではありませんが、誰もがこの名前で呼びます。)

この2冊の200局を解説したのが正編です。

そして詰将棋の歴史400年の内、はじめの約350年を概観して代表的な作品200局を解説したのが続編です。

この本を読んで詰将棋の世界に興味を持ったという人も数多くいる(もはや)古典といっていい本です。

「将棋無双」と「将棋図巧」はつい最近マイナビから谷川浩司解説で出版されています。谷川ファンはこちらが良いかもしれません。値段が1冊4800円と些か高いのと、なにより筆者が未読なのでここではお勧めはしません。


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