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お芝居を観に行く いのうえ歌舞伎『狐晴明九尾狩』②
安倍晴明のイメージ、
妖艶で、飄々としていて、抜け目ない、
あのイメージは、どこから来たのだろう。
いつからそのイメージだったのだろう。
とても興味深い。
知っている人がいたら教えてほしい。
私がそのようなイメージを持ったのは、
夢枕獏さんの小説である。
このシリーズが好きで、全話読んでいる。
野村萬斎さん主演で映画化され、
また、羽生結弦選手が舞われ、
完全にイメージが出来上がっている。
中村倫也さん…確かに、安倍晴明!
ぜひ観てみたいと思った。
コロナ禍で『ケンジトシ』(宮沢賢治と妹の物語)の上演が延期されたから、
中村さんにとっても久しぶりの舞台である。
この人の『ライチ⭐︎光クラブ』をDVDで観てから、
ぜひ舞台を生で観てみたいと思っていた。
中村倫也さんご自身は、役を与えられた心境を以下のように語っている。
■今回の演目に関しては、会見で中島さんが「いのうえ歌舞伎で中村さんが主演だったら、長年温めてきた"安倍晴明"がいいと思った」とおっしゃっていて。個人的には、安倍晴明っていうと、羽生結弦選手や野村萬斎さんのような、選ばれし者が演じる役というイメージがあって。その役を手渡された気持ちってどうなんだろう?って。
「妖術とか使えそうなんですかね?(笑)」
■何か出しそう、なんじゃないでしょうか(笑)。
「出してるのかなー。ただ思い返せば、昔から、ひと筋縄じゃいかない役ばっかり振られてきているんで、そういうものを手渡したいって思わせる何かがあるのかもしれないなぁとは思います」
(略)「安倍晴明に対しては特になんも、"へぇぇぇ"って思ったくらいで。」
実に飄々としたお答えで、「そういうものを手渡したいって思わせる何か」を手渡す側の人々にぜひその心中を聞きたくなる。
作家 中島かずきさん
中村倫也という俳優を知ったのは、真心一座身も心も『流れ姉妹たつことかつこ 獣たちの夜』という芝居だった。千葉雅子さんを手玉にとる、一見穏やかだが底に怖さを秘めた役柄が印象的だった。若いのにうまい役者がいるなあと感心した。今回もあの食えない感じはどこかに出したい。晴明が狐の子だという伝承は有名だ。それをちょっとひねって、自ら狐の子を騙るという設定にしよう。狐を騙る陰陽師と陰陽師に化けた妖狐の騙し合い。ああ、これはいける。
『流れ姉妹〜』は2009年の上演で、
私はその頃ひたすら仕事に邁進していて
残念ながら見逃しているが、
作:千葉雅子さん、演出:河原雅彦さん。
ご共演者も、主演が高橋和也さんで、木野花さん、村岡希美さん、小林顕作さん…
…「食えない感じ」だらけである。
楽しそう。
演出 いのうえひでのりさん
倫也のあのフワフワと何だか掴みどころのないキャラクターなのに、どこか芯に信念のようなものを感じさせる安倍晴明のミステリアスなムードに絶対ハマる
いのうえさんも『流れ姉妹〜』で中村倫也さんの存在を認識したそうだ。
おふたりのインタビューを読むと、
見た目と中身のギャップであったり、
何を考えているのか分からない雰囲気だろうか。
中村倫也さんの安倍晴明、
ハマり役だったと思う。
▽残酷歌劇『ライチ⭐︎光クラブ』2015年
ダンス振り付けは東京ゲゲゲイのMIKEYさん
演出は河原雅彦さん
脚本は劇団鹿殺しの丸尾丸一郎さん
すごいメンバーですね!
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