あの夏のこと。

2022年の夏に、突然高熱が出て、
夜も眠れないぐらいに熱が高かった。

その時私は実家にいたので、一刻も早く実家から出て病院へ行き、自宅へ帰ろうと思った。

翌朝、帰宅時は、じっと座ってられないぐらいの虚脱感で、歩いていても地面が揺れた。

行政のサイトから、近隣の発熱外来を探し、
病院の非常階段で待たされた後に、
防護服のようなものを着た医者と対面し、
しばらくして診断が出た。

帰りに水分やゼリーなどと、解熱剤、風邪薬(市販薬)を購入した。

医者が、保健所から連絡が来るが今は感染者も多いために対応が遅れるだろうと言っていた。

揺れる視界。
やっとの思いで、行政のサイトに感染を報告。
果たして、5日後ぐらいに保健所から連絡が来たが、行政のサイトとは別にさらに登録。
病人にこの二度手間は酷だった。
アンケートのようなものの終わりの方に、食料を送る予定だが、返信が陽性が分かってから5日以上の場合は送らないなどと書いてあったような気がする。
そもそも、そちらからメールが来たのがその日でしたが?
なので、私の家にはついに何も届かなかった。

実家の両親は、私と同じ症状が出ていたのに病院に行かなかった。
数日前に法事があり、親戚で集まっていたため、親戚には病院で陽性が確認された人がいて、私達にも大丈夫かと連絡があったが
(と言うか、感染源はお宅では?というニュアンスの質問があったが)
私は陽性になったことを言うなと親に言われた。

どう考えたら良いのか。

親族の中に、注射を打って、その日から熱が出た人。
そのそばにいた子どもたちが同じように熱。
子どもたちのそばにいた大人が同じように熱。
私も高熱が出たのは、その後である。

普通に考えて、私はその症状をもらった(感染した)と思った。

でも、私しか病院に行っていないので…
「陽性」と判定されたのは私しかいないので…

私はどこかで感染してきたとされた。
私の不注意で、そうなったとされた。

見舞いの言葉などは誰からもかけてもらえなかった。
つくづく、恐ろしいなあと思った。
人間は恐ろしいなあ。

親も人の子。仕方ない。
私はそう思うことにしている。

命の前では、血を分けた子どもも他人である。
だって、怖い。人の目が。

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