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デューイ『民主主義と教育』

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2021年7月の記事一覧

教えることの本質は学んでほしい内容と生徒の経験を結び付けることにあるーデューイ『民主主義と教育』読書メモ(第14章)

教えることの本質は学んでほしい内容と生徒の経験を結び付けることにあるーデューイ『民主主義と教育』読書メモ(第14章)

体的・対話的で深い学びを実現するためには、先生の役割は教える人(Teacher)から別のものに変わる必要があると主張されることがある。変わるべき役割の代表格は、導く人(Coach)、繋ぐ人(Coordinator)、滑らかにする人(Facilitator)といったものである。どれであっても先生は「教える」ことから解放されるべきである、という含意がある。

果たして、先生は「教える」ことをやめるべき

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興味とは当事者意識のことである-デューイ『民主主義と教育』読書メモ(第10章)

興味とは当事者意識のことである-デューイ『民主主義と教育』読書メモ(第10章)

意欲、興味、関心、ワクワク、そして当事者意識。子どもが学びに向かう姿勢を形容した様々な言葉である。「子どもが興味・関心を持てるような授業をしよう」というのは、現代のゴールドスタンダードになりつつある。それでは一体、興味とは何なのだろうか。

興味とは何かを改めて考えると、極めてあいまいにしか理解できていないことに驚かないだろうか。確かに、この驚きをおぼえるのは思考力や観察力の乏しい私だけなのかもし

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探究の結果として習得がある(デューイ『民主主義と教育』読書メモ, 第11章)

探究の結果として習得がある(デューイ『民主主義と教育』読書メモ, 第11章)

知識詰め込み型の学習か、探究型の学習か。紋切型の二項対立であり、問い自体がおかしいと切って捨てたくなるが、よく考えると検討する価値のある問いでもある。しかし、二項対立の問いをそのまま引き受けるのはあまりに不毛すぎる。

では問うべきは何か。それは「知識習得」と「探究」の関係ではないか。両者がどういう繋がりを持っているか説明できる言葉を持っておくことは、混迷を極める現代で(いい意味で)真面目に教育を

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