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砂絵 #69_84
⌘三十 三つ目
海岸道、夕方。自転車を急がせる椎衣。教えられた給油所を目指している。自転車が数台、椎衣を追いかけている。すぐに、椎衣は彼らに取り囲まれる。
「何なの?」取り囲んだ少年達三人の顔を椎衣は睨め付ける。
「降りなよ。おねえさん」一人が言う。
「邪魔しないで」椎衣は自転車に跨ったまま動かない。
「游の奴、こんな女にやられたのか?泣き入るくらいに。だらしねえ」別の一人が言う。少年達は顔を見合ってニヤつく。
「知らせてこい」最初の一人が三人目に言う。
「三つ目?」三人目が言う。
「ああ。禊と游。それとこいつ」最初の一人が言う。
「降りろよ!」二人目が椎衣の肩を掴む。