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砂絵 #31_47

「ビデオ?」 
「遺品なんです。母の・・・」 
「そこに何が?」
「あの光の輪・・・。そのようなものが」砂絵は早口で言う。涙声を隠すように。

 受話器をそっと置き、写真立てに目をやる木川田。木川田は書棚から一冊のアルバムを引き出す。頁を捲り、写真を数枚剥ぎ取る。その写真をコンピューターに取り込む。写真は、平面から次第に立体的な人の姿へ形づけられていく。それは木川田の死んだ息子の姿。
 数日後、木川田は新たに被験者を募集した。

「モニター。仮想空間にある遊園地を巡る作業。

期間:10/1、2。

時間:9:30-12:00、13:00-15:30、16:00-18:30、19:00-21:30※各時間人数制限有り

日給:3,500円+交通費520円

持物:特になし※清潔な身だしなみ