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蜜柑玉簪「瓶覗き」

瓶覗き(かめのぞき)とは、藍で染めたものの最も薄い色を言う。
その名の由来は「藍の染料を入れた瓶の中に、覗くように布をちょっとだけ浸けた」「藍瓶に張られた水に空が映り、それを人が覗き見た」という2つの説がある。個人的には後者だったら素敵だなと思う。

自作の蜻蛉玉(とんぼだま)に名を付けるのに、吉岡幸雄さんの「日本の色辞典」を参考にしている。初めてその本を開いた時、色の名の多さに驚いた。しかも響きの美しい言葉が並んでいる。そしてその由来を知ると、ものを大切にし、色を愛でた昔の人の豊かさが感じられる。日本の色の名を添えることで、簪(かんざし)がより凛として愛おしく思えてくる。日本語ってすごい。

皮を剥いた丸ごと蜜柑のようだから蜜柑玉。涼しげな色を展開しています。

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