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オーバースペックの罠に陥っていないか

西野亮廣さんのVoicy(というネットラジオのようなもの)をたまに聴いています。西野亮廣さんはお笑いコンビ「キングコング」であると同時に「えんとつ町のプペル」の絵本や映画製作で有名ですが、毎日Voicyでエンターテイメントを作ることの裏側をお話されています。割とはっきりモノをおっしゃるので、耳が痛いお話もありますが、面白いし勉強になります。この前の放送では、ハイスペックを求めるあまりオーバースペックに陥ってしまいがち。というお話をされていて、確かにそう!と思ったのでシェアします。

どういうことかというと、何かのアウトプットをするとき、スペックを高めることを目指すあまり、もう95点取れているようなレベルの作品を99点や100点にしようとする作業は、お客さんにとってはオーバースペックになってしまうよ、というお話です。(ぜひ放送を聴いてみてください)

製作側からすると、お客さんに良いものを提供したいという気持ちがあるので、どうしてもハイスペックを追い求めます。ある程度のところまでは、スペックを高めるのはとても重要なことです。ただ普通のお客さんからすると、95点と99点は見分けはつかない。なのに、そこを製作側がそこを頑張っちゃうと、お客さんの満足度が上がらないところに時間とコストを費やしてしまい、それが価格に反映されてしまうと、結果的にお客さんの満足度を下げてしまうことも。

私ごとですが、先日親子で楽しめるポールダンスイベントを開催しました。私は張り切って、隣のトトロの音楽に合わせ、ちょっと難しいトリック(ポールダンスの技)を散りばめた振り付けを考え、1ヶ月前に私の先生に見ていただいたんです。尺はぴったり。流れもバッチリ。ですが、そこでまさにこのことを指摘頂きました。「このイベントに来る大部分の方は、ポールダンスを初めて見る方なんでしょ。お客さんから見たら、ハンドスタンド(ポールを両手でつかみ、逆さまになる)よりも、ただのレイバック(ポールを足で挟み、逆さまになる)の方が、両手をポールから離すから盛り上がるよ。それに振り付けにこだわるよりも余白を作って、拍手を求めたりお客さんとコンタクトを取る方がいいよ。」と言ってくださり、目から鱗の思いでした。

オーバースペックの罠ですね。自分としては、良かれと思ってやっていたこと。でもお客さんの目線で「映える」「楽しめる」かどうか、が重要でした。そこで私は振り付けを大幅に変更し、最終的にずっといいもの=お客さんに楽しんでもらえるものになったと思います。

自分がポールに詳しくなればなるほど、レベルが上がれば上がるほど、お客さん目線に立つのは難しいですね。客観的な視点を持ってオーバースペックを回避しないといけないなと改めて感じた出来事でした。


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