ビジネススキル強化月間で「社会人基礎力検定」を受講しました
ゆずたそ(@yuzutas0)です。風音屋(@Kazaneya_PR)は、プロフェッショナルが集まり、成長し、活躍できる場を目指しています。プロフェッショナルとして活躍するために必要となる「ビジネススキル」を向上させるべく「社会人基礎力検定」を受けてみたのでご紹介します。
社会人基礎力検定とは
主体性やコミュニケーション能力など「職場で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的能力」を経済産業省が「社会人基礎力」として定めています。
社会人基礎力検定は、こうした能力を身に付けるための一連の教材および試験で構成されています。
テキストや講義動画(基礎知識のインプット)
WEBテスト(理解度チェック)
WEBテスト採点後の個別アドバイス(受検結果へのフィードバック)
行動チェックシート(実践できているかチェック)
サポートやコンテンツが充実しており、複数の企業で新卒1年目の入社時研修として活用されているそうです。
検定を受講するに至った背景
当社ではこれまでメンバーが少人数だったこともあり、ビジネススキルに限らず、あらゆるスキルの習得について、以下のような取り組みを行ってきました。
入社時研修(K-DEC)で課題図書を読み、ワークシートに考えを記載してレビューを受ける
20%ルール(Kaizen Hour)で課題図書を読み、輪読会で発表する
目標管理シートで「強み」「弱み」「スキルアップに向けたアクション」を定期的に見直す
OJTでチームメイトやマネージャーから都度レビューを受ける
いずれも「自分にはこのスキルが不足しているからこれを学ぼうと思う」「あなたにはこれが不足しているからこれを身に付けましょうね」といった個別のガイドに終始していました。
しかし、この方法には以下のような課題がありました。
個別ガイドを繰り返すだけでは社内全体のベースラインがなかなか揃わない
欠点ベースの指摘になってしまうと、マネージャーとメンバーの双方に精神的な負担がかかる
「Why:なぜ大事なのか」「What:何が大事なのか」「How:どう振る舞えばいいのか」が体系的に学べず、納得感がないため、スキルとして身につかない
繰り返して意識したりチェックしたりする場がないので学びが定着しない
特にビジネススキルについては、会社の期待とメンバーの事情とで、認識のギャップが生じやすいと感じています。会社やクライアントにとっては「新卒1年目の入社時研修で学ぶはずのスキル」「先輩社員とのOJTを通して2年目までに習得するはずのスキル」という位置付けになるので、「中途採用であれば当然これらのスキルは身についているはずだ」という期待を抱いてしまいがちです。
一方で、メンバーにヒアリングを重ねると「これまでの社会人経験の中で(明示的には)ビジネススキルの習得を求められる機会がなかった」「新卒時代の会社ではプログラミング講座を済ませたらすぐに現場投入だったので体系的な研修やOJTを受けたことがない」「前職ではマネージャーに全部やってもらっていたのでどうしたらいいのか分からない」「昔の勤め先ではチームリーダーになった途端にビジネススキルを求められて困惑したことがある」「ビジネススキルが重要なのは分かるけど何をどう学べばいいかイメージができていない」といった各々の事情が見えてきました。
残念ながら従来の取り組みではこのギャップを短期間で埋めることは難しいと考えました。そこで、従業員全員を対象に、社会人基礎力検定を受講してもらいました。既に一定のパフォーマンスを発揮しているメンバーも、今後マネジメントやOJTに関わっていくことを見据えて、受講対象としております。
ワークシートの活用方法
社会人基礎力検定では1人1冊テキスト教材が郵送されます。テキスト教材の各パートの終わりには、記入式のワークが用意されています。以下は「主体性」パートのワークの例です。
今までの自分を振り返って「主体性を発揮できなかった」「人のせいや環境のせいにしてしまった」といった場面を挙げてください。
主体性を発揮できなかった理由・原因を考えてください。
主体性を発揮するために今日からできること(Next Action)は何でしょうか。
ヒントとして「会社からの期待を理解する」「指示の目的を理解する」「自ら考え、行動する」「自分が結果に責任を持つ」といったステップが事前にガイドされています。そのガイドを踏まえてNext Actionを考えることになります。
このワークに真面目に取り組むことが学びを最大化するためのコツだと思います。本を読んだり講義を聞くだけでは、なかなかスキルとして定着できません。設問に対する回答をGoogle Docsに記載してマネージャーに提出し、1on1で認識を擦り合わせて、Next Actionを宿題事項としてトラッキングしていく、といった流れがベストです。
演習問題の活用方法
テキスト教材の末尾には演習問題が掲載されています。お題となるシチュエーションを与えられて、どのように振る舞うかを問いかけています。
(余談)あくまで個人的な見解ですが、実際の業務であれば、④に着手する前に「④で進めようと思うが問題ないか」と上司に一言確認することをオススメします。
この演習問題を単なるテスト対策で終わらせてしまっては本末転倒です。先ほどのワークと同じように、以下のような内容をGoogle Docsに書き出してみると、実務に活かせるようになると思います。
これまでの自分の振る舞いに近い回答はどれか?
具体的にどういった場面で、どのように振る舞ったか?
(その回答が5点ではない場合)なぜその振る舞いでは不足しているか?
次からどのように振る舞うべきか?
自分の考えをGoogle Docsに書き出したら、マネージャーとの1on1で認識を擦り合わせ、Next Actionを宿題事項としてトラッキングしていきます。ビジネススキルは「泳ぎ方」や「自転車の乗り方」と同じく「スキル」の1つなので、頭で知っているだけでは意味がなく、積極的に実践しながら習得していくものだと私は考えています。
なお、業種・職種によっては問題文をそのまま当てはめられないので「自分に置き換えたらこういうことかな」と抽象化して捉えるのがコツです。例えば、「地元で働きたくて就職したのに転勤を命じられたらどうするか」といった課題は「高度なデータ分析がしたくて就職したのにビジネス理解のために地方の工場視察を命じられたらどうするか」と置き換えられるのではないでしょうか。
WEBテスト結果のイメージ
こちらが私のテスト結果となります。検定概要・導入事例 にも同様のサンプルが掲載されています。人によっては正答率に偏りが生じるので、理解・納得できている部分とそうでない部分が浮き彫りになります。
受講したメンバーの感想
WEBテストの実施後にアンケートを集めたところ、メンバーからは以下のような声が挙がりました。
「周囲への配慮」など、定量的に評価しづらい点にも考慮した採点方法になっている点がいいなと感じました。
ビジネスで求められる思考パターンを知ることができました。
マネージャーから期待されている姿勢や振る舞いが理解できてよかったです。
「解釈を書き換えてストレスコントロールしよう」という考え方は「なるほど」と思ったので取り入れていきたいです。
具体的なシチュエーションに対して、適切と思われる行動を選択するという形式だった。現実とリンクするので活用場面がイメージしやすかった。
こういった内容を振り返る機会はなかなかないので、貴重な体験をさせてもらったなと感じています。考えを深めるためのきっかけにできるとよいのかなと思いました。
ジュニアメンバーのメンターを担当していて「これを先に受けておいて欲しかった」と思える内容でした。
冒頭で挙げた「メンバーがビジネススキルを体系的に学ぶ機会がない」といった課題に対して「一定の打ち手になっている」とポジティブに解釈して問題なさそうです。
気になったポイント
低価格で受講できるにも関わらず、とても充実したコンテンツでした。専任の人事担当が不在のフェーズではこれで十分だと思います。
一方で、細かいところについては気になったポイントもありました。
①少数メンバーの場合、テストを受けられるのが「土曜日の午前」に限られています。振替休日や業務スケジュールを調整しなければなりません。受講にあたってメールでのやり取りも必要となります。対象者に「ここを見ておいてね」「これをやっておいてね」とURLを渡すだけで済むのが理想ですが、ある程度は人事スタッフの工数を割くことになります。
②新卒1年目を受講者として想定しているため、教材の中には「学生時代を振り返ってみよう」といった内容が出てきます。中途メンバーの場合はこれまでの業務経験に置き換えて読まなければならず、人事やマネージャーによるコーチングが必要となる場面があります。今回は「新卒入社1ヶ月以内の場合は学生時代について記載する」「中途入社1ヶ月以内の場合、前職について記載する」「それ以外の場合は当社での業務について記載する」ように置き換えて案内しました。
③2024年現在においてはモダンな価値観とは言い難い内容があります。テストに出てくる女性のセリフが「〜だわ」といったステレオタイプな表記だったり、「メモを取るときは手書きのほうが覚えやすい」といった内容が含まれています。かといって「ここは無視してOK」と1つ1つ正誤表のようにメンバーに案内するのも混乱を招きそうで悩ましいところです。
今後も試してみて、デメリットが気になるようであれば、自分たちにマッチした研修コンテンツを独自にまとめていくのが良いのかなとも思っております。
おわりに
この記事では、ビジネススキルの習得に向けて、風音屋で実際に行われた研修についてご紹介してきました。入社を検討されている方には「風音屋が研修やフォローアップ体制をどのように考えているのか」を知っていただき、入社後のイメージを掴んでいただく一助になれば幸いです。
風音屋はプロフェッショナルとしてのスキルとスタンスを習得できる環境を目指しています。まだ小さい会社ではありますが「ベンチャーや中小企業では研修体制が充実していない」といったイメージを払拭し、大手企業並のトレーニング機会を提供していきたいと考えております。
もしこの記事を読んで、
社会人基礎力を兼ね備えた、プロフェッショナルなデータエンジニア、データアナリスト、コンサルタントを目指したい
人事担当やエンジニアリングマネージャーとして、プロフェッショナルな人材を採用し、育てていく仕組みを作ってみたい
という方は、ぜひカジュアル面談をご検討ください。
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