素敵なステーキ
いま、わたしは、調理の真っ最中である。
とはいえ、煮込み料理ではない。炒め物の最中に席を外したわけでもない。
そう。昨日買って来た割引の肉を、ステーキに仕立て上げている。
貰い忘れてきた牛脂に思いを馳せながらもバターで焼き目をつけ、
そして今。まさに、余熱で火を入れているところなのだ。
(さすがに今日までの肉にあまり火を入れないというのは恐ろしいだろう)
それ以前の人生というのも、分かりやすかった。
べつに一日やそこらで特に何か変わるわけでもない草を眺め、写真を撮り、
株に元気もないくせに――なればこそ――花を咲かせたバラを切り落とす。
そして、すっかりと葉を落としてしまった株の、
哀れな細い枝の先をそれでもわずかに切り落とし、何かの可能性に賭ける。
このバラはテディベアと云い、長年探していたものを、
今は亡き国際バラとガーデニングショーで発見したものだ。
途中何度も世話ができない状態になりながらも強く生きてきた。
しかし、ここで終わりなのかもしれない。
葉もなく、カイガラムシの残骸がこびりついたバラの、なんて弱弱しいことか。
雨に濡れた子犬よりも弱弱しいバラを激励し、
そして室内に戻ったわたしはステーキを焼いていた。
だから、話は、はじめにもどるのだった。
今日の絵。ついでに文体も戻るのであった。
そろそろやらないといけないことが多いです! 助けてください!
とりあえず余熱もそろそろいいと思うので、ステーキでも食べてきます。
たぶんおいしいと思いますよ。多分。
だって不味くすること、してないし。うん。
追記
余熱足りなかったです。
余熱リピートしました。なんだそれ。
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