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校長先生

出会った当時の年: 小学生
出会った国:日本

小学校の校長先生。
毎朝、雨の日も学校の裏門に立って
生徒たちを笑顔とじゃんけんで迎え入れてくれた。

とても穏やかで優しくて大好きだった。
引っ込み思案だったけれど、校長先生は廊下で会っても一人一人の名前を呼んで話しかけて下さったので、挨拶ができるようになった。

校長先生が定年を迎える年だったと思うけど、バレンタインデーに作ったお菓子を持って一旦家に帰った後、学校へ友達と母付き添いで戻った。

温かく校長室へ迎え入れて受け取ってくれた。
勿論、ホワイトデーなんて何の期待もしていなかった。渡せたことが嬉しかった。
手紙も添えたと思う。いつもの御礼を伝えたかったから。

ホワイトデーの当日だったのか、前後だったかは記憶にないけれど、校長室に1人で呼ばれた。
呼び出された理由が分からなかったので
恐る恐る行くと、また笑顔の校長先生に校長室に迎え入れられた。

応接セットに通され、目の前に座った校長先生から、なんとホワイトデーのお返しを頂いた。
ビックリした。そして、確かその時に今年で学校を去られる事を聞いたような。

ガラスの綺麗な写真立てと、お手紙を頂いた。
お手紙がとても嬉しくて何度も何度も読み返した。今も写真立てもお手紙も手元にある。

働くようになり、毎朝いつも同じ調子で変わらない笑顔でエネルギッシュに子どもたちを迎えて、じゃんけんや会話もし、全員の顔と名前を覚えるって、とてつもなくすごいことだと思った。
笑顔の校長先生しか見たことがない。
そう記憶に残るぐらい笑顔で居続けるってすごい。
そして、その笑顔に救われた人たちは沢山いるだろうなと思う。


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