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りょえさんぽ(シケズーム回)に参加してきた件

 カメラの交換用レンズには、ニコンやキヤノン、ミノルタなどのメーカー純正のものの他に、サードパーティー製の交換レンズがある。
 今でもシグマやタムロン、フォクトレンダーや最近ではLAOWAのような中華レンズなども販売されている。
 先日のりょえさんぽ・コンパクトフィルムカメラ回に参加した際に「シケズーム回をやるので日程が合えば」とお誘いを受けていた。

 この「シケズーム」とは先述したようなサードパーティー製のズーム交換レンズの中でも、例えばタムロンアダプトールIIやシグマのAFのようにメーカー純正品と遜色のない映りをするようなもの、ではなく
 フィルムカメラ時代のもので、現在はカメラ屋さんやハードオフのジャンク箱に転がっているような最初から写りがシケているようなズームレンズのことを指す。
 決してサードパーティーの技術力を小馬鹿にするわけではないし、そうした製品を作っていたことも現在の視点からすると大事な歴史の文脈ではあるが、まあコスト面などで仕方のない部分だってある。
 例を挙げればオリンパスのZUIKOズーム 85mm-250mm F5は(いい硝材を使ってる都合もあるが)当時の定価は98000円くらいである。
 一方その当時の近いスペックの廉価なズームレンズは3万円くらいの定価だ。
 定価が3倍も違えばコスト的に仕方ないことだってあるじゃん。
 そんな訳で、普段はあまり注目を浴びないこれらシケズームを愛して使おう、というのが今回の企画、なのだと思う。




シケズームの支度しな!


 さて、このシケズーム回に合わせてどのレンズを持っていくのか少し悩んだ。
 実は前回のりょえさんぽの際に、シケズーム回用にオリンパスOMマウントのズームレンズを700円くらいで買ってはあるのだが……



 いや思わず笑っちゃうような映りである。逆光耐性が強い弱いではなく「ない」のだ。


 別にコート剥がれもカビも曇りもないので元からこういう映りなんじゃないかなあ。
 これはこれでケタケタ笑いながら使えるのだが、折角なので東側のkazさんとしては東側のカメラボディを投入したい、と考えた。

 と、なると一本候補になるレンズがある。


 昔ハードオフで拾ったHOYAのズームレンズ。これはTマウントっぽいアダプタでM42スクリューマウントに取り付けられるので、東ドイツやソ連のM42機で運用することが可能だ。


 ※実際に東ドイツのPraktikaシリーズで撮影したもの

 このレンズを使ってもいいかどうか主催のりょえよさんに相談し、審議の結果使用の許可が降りた。
 私はワクワクしながらレンズ棚を開ける。

 「あれっ!?HOYAズームないじゃん」

 HOYAだけではなく、PENTAX SP周りの機材がごっそりと……

 あーっ!そういえば!
 引っ越しに伴う機材整理のついでに、友人をフィルムカメラ沼に落としてやろうとSPとM42レンズ何本かセットにしてあげちゃってたのであった。
 ※PENTAXボディにHOYAレンズを付けられるようにして渡す、という判る人なら判る悪魔的所業をしているのはナイショだ。

 と、いう訳で散々審議までしてもらったにも関わらず、事前に購入しておいたオリンパスOMマウント用のシケズームを使うことに。


 サン光機 サンズームレンズ 85mm-210mm F3.8マクロ。
 調べるとこれより少しスペックが劣るものはレビューが出てくるが、F3.8バージョンのもののデータはあまり見つからない。



 一応、通しのF3.8ズームで自称マクロ機能があり、レンズ長の変わらない回転式ズームと組み込みレンズフード、と数字の上では中々ご立派なレンズである。
 実際の映りは逆光耐性が「ない」癖のあるレンズではあるのだが。

 780円だった。

 因みにフロントキャップは300円でリアキャップが400円。

 ボディの方は割とガチ目に、オリンパスOM-1Nにワインダー1を付けた装備。このワインダーはジャンク箱から2000円くらいで拾ったやつ。腐りかけたフィルムで動作確認をした限りでは問題がなさそうだったが……


お前にサンを救えるか!?


 逆光耐性がないレンズとなるので、順光や暗いところで使う方が望ましいレンズになる。
 幸い?と言うべきか天気は曇りだったので光が入って真白け!という状況にはならなかった。


 もうすぐ桜が咲く季節ではあるが、今週は少し肌寒いことも影響したのか、桜の花はまだまだ見頃には程遠い。海外からの観光客が一生懸命写真を撮っていたが、「一週間後に来てください。本当の桜を見せてやりますよ!」と言いたくなるくらいではあった


 今回のレギュレーションはフィルムは支給されたコダック GOLD。またレンズの複数使用NG、フィルターやマクロアダプタ・テレコンなどの小賢しい手段もNG。あくまで自分の選んだシケズームと地獄の底まで付き合って貰う、というレギュレーションであった。
 モータードライブを使ってOM-1Nを使うととにかく気持ちいい。モータードライブを買った日(フィルムさんぽ講評中)は、シャッター音を聞きたいがためにパシャパシャ空シャッターを切っていたくらいだ。


シケだけどー!駄目じゃなかったー!



 
上野公園や不忍池の辺りを回りながら写真を撮影していたのだが、今回はお酒が飲めないため普通に寒かったりした。




 お、おおお!割とちゃんとした映りをしているぞ!色味はちょっと黄色っぽい?だろうか。



 この狛犬の写真なんかは割とシケズームっぽさが出ていて、やや白っぽく映っているね。


 空に向けるとこう。やはり眠たい映りにはなる。逆光には極端に弱い。MC表記付いてるのに。




 なんか2/3くらいは鳥を撮っていたような気がする。


シケズームはどう生きるか



 他の参加者の方が持ってきたレンズも、聞いたことがあるものからないものまで様々。
 意外と真っ当に写ってつまらんという意見が飛び交う会ではあったが、やはり廉価ズームと言えども一生懸命作ってくれていたが故の意外と真っ当な映りだったのではないかと。
 そりゃあ、純正レンズの方が当然映るわけだが、こういった企画もとても面白いとおもった。


 なんというか、懐かしいタイプの映りだなあ。


 因みに次回のテーマは「50mmで開放F1.8より暗いレンズ」縛りとのこと。

 ソ連製レンズの独壇場じゃないか。



 kaz




 
 

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