歯科医療とは、機能回復、審美改善、再発防止である
歯科医療とは、口腔の
1. 機能回復(or改善)
2. 審美改善(or回復)
3. (疾患の)再発防止/未然防止
です。
まあ当たり前といえば当たり前なんですが、意外とこれを言語化できていない先生が多いですし、言語化はできていてもこの3要素をきちんと挙げられる先生も少ないようなので、今回あらためて書くことにしました。
歯科医療のゴールは一言でいえば「健康」なわけですが、それをこの3要素に分解して意識することで、より良質な歯科医療の提供が可能になります。(と思います)
1. 機能回復(or改善)
例えば、歯が痛くてかめないから抜髄・根治してクラウンかぶせるとか、抜歯したあとに入れ歯を入れるとか。
ご飯を食べるという口腔機能を回復させてあげることが「機能回復」です。
これは間違いなく歯科医療ですよね。
基本的には「回復」、つまり「もともとあった機能が失われた後で元に戻してあげる」場合が多いと思いますが、患者さんによっては生まれつき十分な機能がなく、その機能を強化してあげる、つまり「改善」というパターンもあると思うので、カッコ書きで「(or改善)」と付け足しています。
2. 審美改善(or回復)
歯科治療ではただ機能を回復するだけではなく審美面も大切。
CRが色が天然歯とあからさまに違ったらカッコ悪いし、クラウンをかぶせるにもできるだけ他の歯と似た色に合わせたいですよね。
ホワイトニングなんかは審美のみを目的に行う処置といっていいでしょう。
これらはもちろん歯科医療。
CRやクラウンなら審美「回復」に近いし、ホワイトニングなら審美「改善」という表現が適切かなと思うので、まあどちらの言い方でもいいかなと思います。
3. (疾患の)再発防止/未然防止
これこそ歯科医療、といえる最後の要素が再発防止/未然防止です。
自覚症状がない状態でのP治療。
自覚症状がない状態でのC治療。
メンテナンス。
より適合良くしようとするC治療や、よりしっかり治そうとするP治療など、質の高いことを目指そうとする治療のすべて。
より良い歯科医療とはすなわち再発防止/未然防止ができるかどうかである、といえるほど重要な要素です。
意識の高い歯科医師や歯科衛生士にとっては一見すると当たり前に思えることかもしれませんが、そうはいってもCの予防までしっかり取り組めている医院となるとほとんどゼロに近いのが実態。
再発防止/未然防止という要素を本当に理解して実践するのは非常に難しいことです。
↓ 参考:カリエス予防についての記事
まとめ
繰り返しになりますが、歯科医療とは、口腔の
1. 機能回復(or改善)
2. 審美改善(or回復)
3. (疾患の)再発防止/未然防止
です。
このことをきちんと理解することで、少しでも医療の質向上につながれば嬉しいです。