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「政府」という言葉を解説する

 皆さんは「政府」という言葉を聞いて何を思い浮かべるでしょうか。首相の顔?予算委員会の中継?厳かな建物?悪の象徴?正義の味方?・・・あれ、そういえば「政府」ってなんだろう。今日はそんなお話。

解説する意図 

「政府」って当たり前に使うし、使われているが故に、意味を深く考えたことのない言葉の一つではないでしょうか。しかし、「政府」の説明を求められて、「政治家がたくさんいるところ!」と答える人もいれば、「私の敵だ(暗黒微笑)」みたいな人もいて、「みんな知ってるけど意外とみんな知らない」ものだと思っています。

でも、「政府」が私たちの生活に影響を与えるものだし、批判の対象になりがちですよね。政府が悪いことをしたらもちろん国民が批判しなければならない。そう思っています。

しかし、「政府」の意味を理解していないと、批判の的がぼんやりしてしまい、的外れな指摘や個人攻撃に走りがちになってしまいます。

そこで、「政府」を理解するきっかけになればいいな。そう思って投稿しました。

つまり政府ってなんだ

辞書を引けば結論が書いているんですけどね。
それでは見てみましょう。

せい‐ふ【政府】 の解説
政治を行う所。立法・司法・行政のすべての作用を包含する、国家の統治機構の総称。日本では、内閣および内閣の統轄する行政機構をさす。
せい ふ 【政府】
政治を行う機関。現行憲法では、行政権の属する内閣または内閣とその下にある行政機関の総体をいう。広義では、立法・司法を含む国家の統治機関を意味する。
広義には、立法・司法・行政の各機関すべてを含む国家の統治機構全体を指し[2][4]、狭義には、行政をつかさどる内閣と内閣の統轄する行政機関から成る行政府を意味し[2][4]、最狭義には、内閣と同義とされる[1][4]。
(Wikipedia)

どうやら、「政府」という言葉には、狭義と広義がありそうですね。
狭義には「内閣」、少し幅を広げて「行政府」、最も解釈を広げると「立法・行政・司法の全ての統治機構」というのが結論になりそうですね。

もう少し詳しく解説。

立法・行政・司法って何?

この3つのワードを聞いて思い浮かぶのは、そうです。「三権分立」。せっかくなのでこれも解説・・・したいところですが、長くなるのでざっくりいきます。

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衆議院ホームページより引用(http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/kokkai/kokkai_sankenbunritsu.htm)

これが三権分立。社会の授業で習ったかと思います。私は公務員試験を受けるまでちゃんと意味がわかっていませんでした。

要は、「立法権、行政権、司法権をそれぞれ国会、内閣、裁判所に分散し、互いを抑制する事で国家の暴走を防ぎますよ」ということです。それぞれざっっくりと見ていきましょう。

○国会
国会(立法権)は「最高権力」とされています。これは国民の投票の結果選ばれた人(国会議員)で構成されているからですね。何をしているかといえば、法律を制定しています。が、テレビでは偉い人が大勢集まって野次を飛ばしたりしているのがよく映りますね。あれをイメージしてください。

○内閣
最狭義の「政府」です。話が繋がってきましたね(にやり)。国会で決められた予算や法律に基づいて色々しています。色々すぎて説明しきれないくらい色々です。内閣は内閣総理大臣をはじめ、何とか大臣ってついてる人の集まりです(正式名称は国務大臣)。総理大臣と国務大臣合わせて20人くらいいます。・・・あれ、「政府」って20人で構成されているの?もっと大きなものを想像していませんでしたか?

○裁判所
裁判をするところ。裁判傍聴、一回は経験してみてください。

狭義だと、「政府」って20人くらいしかいないんですよね。なんかチョロそう。
ところが、約50万人以上の国家公務員が、19人の国務大臣の部下として働いています。これらを指して「政府」とする場合もあるでしょう。

国家公務員というのもまたややこしいもので、地方公務員と区別している人の方が少ないかも。語弊を恐れずに言えば、〜省(厚労省や文科省など)に属している公務員のことで、地方公務員は県庁や市役所に属する公務員です。

広義であれば、内閣に国会と裁判所を加えた国家権力すべてが「政府」ということになります。こうなるともう無敵って感じ。

「政府」の意味、一般論的に回答するぞ

では、ニュースでは何を「政府」としているのでしょうか。

「政府の発言」として報道されることが多いのは、菅官房長官の発言ですね。令和って掲げてた人です。

官房長官とは、内閣官房の事務の統括をする人で、会社でいうところの総務部長プラス広報といったところでしょうか。広報なので、内閣を代表して発言することが多いんですね。

つまり、ニュースでは、内閣を「政府」として報道する機会が多いわけです。

報道で、誰の発言を「政府」の発言として取り扱っているか注目してみてください。あまり国会議員のことを「政府」扱いする事は少ない、と言うか私は聞いたことがありません。

以上のことから、「政府」という言葉の意味を一般論的に回答するなら「日本において、『政府』は『内閣』とおおよそ同義。幅を広げるとしても、『内閣及びその関係省庁』といったところでしょうか。

ところが、ネット上の主張などを見ていると、「それを『政府』って言っていいの・・・?」みたいなことがよくあります。あくまで、上の回答は一般論です。

まとめ

何が言いたいかと言うと、「政府」を批判する(褒めるときも)にしても、その「政府」には「総理大臣」「国務大臣」「公務員」「国会議員」「裁判官」「国家の統治機構」といった、多くのものを内在しているわけです。

あの人が言う「政府」は、何を指しているのか。なんとなく「政府」をそのまま飲み込んでしまうのはもったいないと思うのです。

主張、終わり!

長く書いたわりには超アバウトな説明になりました。が、言いたいことの雰囲気だけでも掴んでいただけたなら幸いです。

今回は「政府」にスポットを当てたわけですが、そのワード、なんか適当に使われててモヤモヤするな。ってワードが皆さんもあると思います。何ならこの記事内でもそんなワードを使ってしまっているかも。共有できたら知見が広がりそうだと思うので、是非教えてください。



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