見出し画像

【英語脳チャンネル-5】"Dark L"ってな~に?

最近YouTubeなどで、ネイティブが「英語の発音ってこうするんだよ」と言っているビデオをよく見かけます。

そもそも日本人は英語の発音が上手ではありません。

学校の英語授業ではカタカナ読みが主流でした。日本独特の同調圧力も手伝って、日本式のカタカナ風の読み方をしないと、おかしな目で見られてしまうことすらありました。

YouTubeなどで、ネイティブの人たちが「もっと英語はこう発音しなくちゃ!」と言ってくれるのは、とても刺激的で日本の学校英語の弱点を直してくれるものだと思います。

ですが、「ちょっとこれは日本人を驚かせ過ぎなんじゃないの?」と感じることがあります。

その筆頭が『Dark L』です。

1. 『Dark L』ってどんなエル?

『Dark L』というのは、『L』の発音が語尾などで、「オ」に近くなる発音のことです。

Party People ⇒ パーリー・ピーポー
Apple ⇒ アッポー

YouTubeで『Dark L』というワードで検索してみると、たくさんのビデオがヒットします。

このように『Dark L』は、ちょっとした流行語になっているんじゃないか、とさえ思います。

2. 『Dark L』なんか知らないネイティブ

ところが、ネイティブがみんな『Dark L』を知っているか、というと、そんなことはありません。

あるニュージーランドの知り合いに尋ねたところ、「聞いたことない」という返事が返ってきました。

さらに現地の学校で英語(向こうの国語)を教えている先生に聞いてもらったところ、やはり「聞いたことない」とのことでした。

内容を説明してもらうと、「それなら当たり前で、わざわざ特別な呼び名を付けるほどのことではない」という返事だったそうです。

いったい世界中の英語ネイティブの何パーセントが『Dark L』という呼び名を知っているのでしょうか。知らないネイティブもたくさんいるのではないでしょうか。

日本のYouTubeで自己流のビデオを投稿しているネイティブやバイリンガルの方々は、「新しい呼び名で日本人を驚かせてやろう」とし過ぎなのではないでしょうか。

日本のTVや雑誌などのメディアも、Party Peopleを「パリピ」と省略形で言ってみたり、appleを「アッポー」とことさらに誇張してみたり、少しやり過ぎなのではないでしょうか?

Lが語尾に来た時には、軽く舌を歯ぐきに触れる程度で良い

こう言えば十分なのではないでしょうか。

『Dark L』が英語圏の国々でどれぐらい「方言」の要素を含んでいるか分かりません。ですが、あまり誇張して「アッポー」と発音するのは、「訛り」と受け取られかねないのではないでしょうか。