【英語脳チャンネル-4】"You"の複数形
最近、YouTubeやTikTokで、いろいろなにわか英会話講師が、「アメリカではこういうよ」ということを言っています。
それはそれでとても良いことだと思います。日本の教育はこれまで高校入試、大学入試が目的となってしまっていました。
実際にどう学習効果を高め、それをどう自分の人生に役立てるか、ということより「入試で少しでも点数を稼ぐこと」の方が目的になりがちでした。
それを打ち壊しつつあるのが、これらのビデオ系SNSではないかと思います。
ただし、これらにも欠点があります。
それは、
という疑問が付きまとうことです。
そんなビデオ系SNSで最近話題になっている点について、僕なりに検証してみます。
1. 二人称主語の"you"は複数形にも使えるか?
僕が最近のYouTubeで「あれ?」と思ったのが、このことです。
何人かのアメリカ人が、「生まれてからこれまで、youを『あなたたち』という複数形で使った経験はない」と言っています。そして『あなたたち』というときには"you guys"とか"you all"を使う、というのです。
「そうした方が英語らしく聞こえるよ」というならともかく、「生まれてからこれまで使ったことがない!」と言われてしまうと、「じゃ、僕らが学校で習った英語は間違えだったの?」と言いたくなります。
例えばYouTubeの例がこれです。これは「サイモン君」というアメリカ人バイリンガルがアメリカ英語について語ってくれるビデオです。
ほかにはこんなYouTubeビデオもあります。これは「ケビン君」というアメリカ育ちの日本人(or 日系アメリカ人?)がアメリカ英語についていろいろ語ってくれるシリーズです。
どちらも「アメリカでは、youを『あなたたち』という複数形で使ったことは無い!」と言い切っています。アメリカでは、必ず"You guys" とか"you all"を使うのだそうです。
じゃ、僕らが日本の学校で習った『"you" は単数形にも複数形にも使う』というのは間違いだったの? という疑問が、いやがおうでも湧いてきます。
ではイギリスではどうなのでしょう? もしかしたら学校は、イギリス英語を教えてくれたのかもしれません。
そう疑問に思った僕は、HiNativeという質問サイトで質問を投げかけてみました。
2. British Englishでは"you"を複数形にも使う!
すると、すぐにあるイギリス人から回答が寄せられました。
ザッと訳すと
ということは、イギリス英語では日本の学校で習ったように、"you" は複数形にも使える、というわけですね。
またニュージーランドに住む知人に、同じことを聞いてみました。
するとその知人は、さらに中国やフランスで英語を教えているその方の知人に尋ねてくれました。その知人の知人からの答えが以下です。
同じくザッと訳すと
この方も「"you"は単数形、複数形のどちらにも使える。複数形には"you all"とか"you guys"を使った方がより明確になるが、必須ではない。」と言っています。
あー良かった!
YouTubeなどではアメリカ育ちの講師達が、アメリカ英語をまるで「世界標準の英語」のように教えていますが、必ずしもそれが本当の世界標準ではないかもしれない、ということは心しておくべきでしょう。